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若い時こそ郊外戸建、歳を取ったら駅近マンションが良い理由

2021年10月19日

戸建とマンションの床面積と間取りの相場をご存知でしょうか?

 

一般的に戸建は80~100㎡、3~4LDK、マンションは60~80㎡、2~3LDKです。

 

つまり戸建は3~4人といった子育て世代に向いています。

 

一方でマンションは1~2人、つまり子育てが終わった老後の生活に向いています。

 

広さだけではなく、戸建は2階建てが多く階段があるため足腰の強い若い時、一方でマンションはフラットフロアでバリアフリーですから、足腰が衰えた老後に向いているのです。

 

立地も集約的なマンションは駅に近く、戸建はマンションよりも駅から離れた場所にあります。加えて戸建は駐車場が必ず1台分は付いていますから車を持つのも負担が少ないです。高齢者ドライバー事故の問題を考えても、老後は駅近マンションに住んで、駅前のスーパーや商業施設に徒歩で行って、電車やバスを利用するのが安全で楽です。

 

一方、子育て世代は家族の移動で何かと車が楽ですね。まだまだ車の運転も自信が持てるでしょうから負担よりも楽しさを感じることが多いのではないでしょうか。

 

このように、以前は結婚当初はマンションを買って、給与が増えたら郊外の戸建を買ってゴールとする「住宅すごろく」が流行りましたが、人生100年時代と言われる現代においては、視点を180度転換して、若い時こそゆったり郊外戸建、で歳を取ったら安心便利な駅近マンションというスタイルも良いかもしれませんね(^^)

コロナでテレワークになり移住先を選ぶ時にたいせつなこと

2021年9月27日

新型コロナの影響で多くの職場がテレワーク化した結果、都会から地方へ移住する動きが出始めています。

 

たいせつなのは地方でもいろいろなタイプがあるということですが、大きく二つに分けられます。一つは「開かれた地方」そしてもう一つは「閉ざされた地方」です。これは歴史を紐解くと違いがとてもよく分かります。個別にはいろいろありますが、一般論しては山よりも海のほうが開放的です。

 

今でこそ車で移動したり、飛行機ですが島国日本ではもともと船で行き来していた歴史が長いですから、山よりも海のほうが人と人の交流が盛んだったことになります。だから概ね、日本のどこの地域も海のそばのほうが新参者を受け入れやすく溶け込みやすい雰囲気を醸しているのです。

 

あとは洗練されている地方の方が、新参者が溶け込みやすいです。これは服装などのスタイルを見るとかなりわかります。やはり以前から様々な人と関わってきていた地域で生まれ育つと、自然と「人からどう見られるか」という視点が身につきますよね。だからセンスが磨かれてファッションが洗練されていきます。

 

だからジャージ比率が高い地域は、「あ~、ここはもう地元の狭い人間関係しか日常にないんだな~。」と思ってほぼほぼ間違いないですよ。そんなところに移住したら、もう「推して知るべし」ですよね笑「なんかよく知らない人がいる~」みたいに好奇の目に晒されること請け合いです。

 

コロナ騒動はそんな地方の性質も思いっきり露呈しました。「東京から来ないで」みたいな張り紙をしていたニュースがありました。日本でも大半の地域はそんなことが起きたことが報道されなかったんですから、少なくともそういった報道がされていた地方や県に移住することは相当、リスクが高いことはわかります。

 

このように一言で「地方」とは言っても、その雰囲気は全然、違いますから移住先としては閉ざされているより開かれた場所の方が楽しく過ごせるのではないでしょうか。自然の美しさも大事ですが、やっぱり人と関わることで人生の楽しさは増します。ぜひ自分に合った雰囲気の地方を見つけてみていただきたいです(^^)

後悔しないマイホーム購入「マンションVS一戸建て」選び方

2021年6月24日

 

マイホームの購入を決意したら、次に悩むことが「マンションがいいのか、一戸建てがいいのか」ということではないでしょうか。

 

心では一戸建てにも惹かれながら、なんとなくマンションを検討している方もいらっしゃるかもしれません。

 

事実、私のクライアントさんの8割以上が、当初の相談ではマンションを検討しています。その理由を伺うと「なんとなく」「一戸建ては高いから自分たちが買えるのはマンション」「駅に近いほうがいいから。一戸建ては郊外だから無理」「いつでも引っ越せるように売りやすいほうがいいから」といったものです。

 

しかし、実は、これらは「思い込み」なんです。

 

私がじっくり質問を繰り返して問診していくうち、そして実際にさまざまなエリアを歩いて、一戸建てとマンションを、ちゃんと価格差を設定してスペックを比較する「住まいのウインドウショッピング」をすると、ほとんどの人が一戸建て志向に変わるのです。

 

いま、住宅系のネットや本などではFPや宅地建物取引士などの専門家がしたり顔で「マンションと一戸建てどちらが得か」に対して、「一戸建てが得!」とか「マンションが得!」と定型化した答えを出して、思考停止状態に陥ったアドヴァイスが氾濫しています。

 

この記事を読むことで、マンションと一戸建ての誤解をとき、正しい知識を得て、きちんと比較した結果、あなたにぴったりな住まいが見つかることでしょう。

-目 次-

 

1.「いくらまでなら安心して買えますか」

 

よく「いくらまでなら安心して買えますか」という相談を受けます。しかし、この質問は適切ではありません。

 

実は予算以上に、一戸建てかマンションかの違いによって、生涯の家計支出は大きく影響を受けるのです。

 

1-1.安心して買える価格はマンションと一戸建てでこんなに違う

 

あなたは、一戸建ては高い!と思い込んでいませんか?

 

もし、あなたが「マンションのほうが購入しやすい」となんとなく思っているのであれば、価格は同じでもマンションと一戸建てでは月々支払う住居費が異なることをぜひ、知っておいていただきたいのです。

 

なぜならば、マンションの場合は管理費と修繕費の支払が伴い、さらに車を所有している場合は駐車場代もかかってきます。

 

一般的に大都市圏ではマンションの管理費+修繕費+駐車場代の負担が月々5~6万円になります。

 

仮に、一戸建てとマンションの予算設定を同じ5,000万円として、月々の住居費を比べてみます。

 

 

共通:住宅ローンの返済(金利1% 35年返済) 約14万円
共通:固定資産税 約1万円
マンションのみ:管理費(首都圏平均)約1万5,000円
マンションのみ:修繕積立金(首都圏平均)約7,000円
マンションのみ:駐車場代(首都圏平均)約3万円

 

つまり、マンションの場合は一戸建てよりも月々5万円、住居費が多くかかることになります。ちなみに、月5万円はおよそ1,800万円分の住宅ローン(35年返済)と同じです。

 

ですので、5,000万円のマンションは6,800万円の一戸建てと支払が一緒になってしまうのです!このことを意識するかしないかで大きく違ってくるのがお分かりでしょうか。

 

これは、言い換えると、


とも言えます。

 

1-2. 一戸建て=駅から遠い。マンション=駅チカ。という誤解

 

クライアントの方とはじめてお会いした時によく話題に出ることが

 

「都会でしかも駅に近いところだと一戸建てではなくマンションしか選択肢がなかった」

 

ということです。

 

大手不動産の住宅検索サイトなどで検索をした際、マンションと一戸建てを同額で、駅から同じ徒歩時間で検索すると、圧倒的にマンションのほうが多くヒットします。だから一戸建ては高い、と何となく思っていたと言うのです。

 

しかし、先程の公式

に当てはめると、たいていのエリアでは一戸建ても予算内に収まってくるのです。

 

そうすると、なんとなくマンション嗜好の方も、支払いがほぼ等しくなる価格帯の一戸建てと冷静に比較検討して決められるようになるのではないでしょうか。

 

逆に、一戸建て派の人も、わざわざ郊外の一戸建てしかターゲットにしないというのも、資産性を考えるともったいないのでは?という考えも生じてくるのです。

 

というのも、とあるエリアの事例ですが、駅から徒歩10分以内の利便性の高いエリアでは、土地の価格(地価)が年率2%以上の上昇をしている一方で、同じ駅でもバスで10分かかる不便なエリアは2%弱の下落が生じているのです。

 

このような地価の動きをしているところは首都圏をはじめ日本全国、どの都市圏にも比較的多く存在しています。

 

ですので、不動産購入を財産づくりの一環として考える時には、現時点の価格だけで安いほうを選択するのではなく、将来に向けて価値が上がるか、上がるまで行かなくとも横ばいもしくは下がりにくいかどうか、という「将来の価格がどうなっているか」も意識しておくと良いと思います。

 

1-3.1,800万円のマンションと5,600万円一戸建ての家計支出が同じ!?

 

試しに、月々10万円の家賃の賃貸に住んできた人が、同程度の住居費の持家に住み替えようとした場合、駅徒歩5分以内の一戸建てと、郊外バス便マンションを購入した場合とで、月々の家計支出がどのようになるかをシュミレーションしてみます。

 

1-3-1.こんなにも違う!同価格帯のマンションと一戸建てを購入した場合の家計支出

 

金利1%で35年の返済で想定した場合、月々10万円の返済になる借入額は約3,600万円です。一戸建てはこれでよいですが、先程もお伝えしたとおり、マンションの場合は管理費、修繕積立金がかかります。

 

そして郊外ですので車社会と想定すると駐車場代がかかってくることになります。(駅徒歩5分の一戸建ては車を持っていないこととします。)

 

10万円の住居費から首都圏の上記費用の平均値5万円を差し引いた、月5万円の返済になる借入額の約1,800万円がマンションの購入予算となります。

 

一戸建ての場合、建物価格は平均で1,200万円程度ですので、3,600万円の物件価格のうち約2,400万円が土地代です。

 

この時点で資産性に大きな違いが出ているのがお分かりになりますでしょうか。

 

さらに、駅徒歩5分ですと車は持つ持たないが選べるので、仮に車を持たない生活を想定すると、月々6万円ほどが浮きます。

 

これは約200万円程度の新車を5年で更新していくときにかかる車両費、維持費、税金、ガソリン、保険代から算出した数字です。

 

月6万円というと、金利1%、35年返済ではちょうど2,000万円借入の月々の返済額とほぼ同じです。つまり一戸建てで車無し生活の場合はその分、約2,000万円借入を増やして、予算を5,600万円程度まで上げて探してみることも可能になります。

 

1-4.投資マネーの動きと流れに要注意!~高値で買わないために~

 

あとはもう一点、首都圏のマンションに実需(実際に住む人)以外に投資(投機)のマネーがかなり流入してきている問題があります。

 

1-4-1.マンションに世界からお金が流れ込んでいる

 

2016年6月、首都圏のマンション価格の平均値が年収の11倍を超えたという記事が、日本経済新聞に掲載されました。

 

通常、年収の7倍程度が購入限度(私はこれでも高すぎと思いますが)と言われる中で、明らかにオーバーしています。

 

不動産市場に投資マネーが流入して、どのように水増しされた価格になっているかを詳しく知りたい方は、『徹底解剖!不動産市場と投資マネー』を参照ください。

 

1-5.火災保険料

 

10年更新加入する火災保険料を比較すると、これは断然、マンションの方が安いです。

 

マンションの場合は対象が自分の部屋のみとなりますので、建物全体に保険をかける必要がないため、一戸建てよりも割安になる傾向があります。

 

そして「家の構造」です。全ての家が同じ資材を用いて同じ構造で作られている訳ではありません。燃えやすさなどに応じて「構造級」という区分がされています。

 

コンクリートやコンクリートブロック・れんがなど耐火性の高いマンションは被害が大きくなりにくいため保険料も安くなります。

 

一方で、木造など耐火性の低い一戸建ては割高になります。

 

コラム~住宅ローンのマジック~返済比率に含まれない謎を紐解く~
ではなぜ、これだけ住居費のウエイトが異なるのに、あまりこの点を意識しないで探しているのでしょうか。それには、「銀行の住宅ローン審査には、管理費等の支出が全く計上されていない」という落とし穴があるからです。

 

つまり、これだけ家計支出の負担に差があるのにもかかわらず、そこはまったく無視されて、5,000万円のマンションを買いたい人は7,000万円近い一戸建てを買う人と同じだけの経済力があると算定されてしまうのです。

 

これって、どう考えてもおかしいし、借りられてしまうことが怖いですよね(^^;)

 

2.資産価値を徹底比較! マンションVS一戸建て

 

安心して購入できる価格がマンションと一戸建てそれぞれでわかったところで、次に気になるのが不動産としての資産価値ではないでしょうか。それを今から紐解いていきます。

 

2-1.マンションと一戸建てではメンテナンスの重みが違う

 

一戸建ての場合は、マンションで義務的に支払う管理費や修繕費は掛かりません。ですが「一戸建てはマンションと違って自分でメンテナンスをしなければいけないから、修繕積立金のようなお金を自分で積み立てる必要があり、結局はマンションと変わらない」と言っている人がいます。

 

しかし、「そもそも何のために建物のメンテナンスをするのか」という目的を明確にせずに結論を出しては、あまり的を得た答えになっていないように思います。

 

マンションに修繕積立金が半ば義務のようについて回る理由をご存知でしょうか。それはマンションの価値を決めるのは、建物が良好に維持管理されていることでしかないからです。

 

マンションとは空間価値を買うもので、区分所有法という法律により土地も建物も不完全な所有権です。こと、土地に関しては持分を分割して売買することはできません。つまり、マンションの資産価値は建物に相当のウエイトが置かれています。

 

一方で、一戸建ては20数年で価値がゼロになるように減価償却していきます。わかりやすくいうと、年々価値が目減りしていくということですので、メンテナンスやリフォームに力を入れすぎることは資産性を維持するうえでは得策とは言えません。

 

ですので、言葉に語弊があってはいけないのですが、30~50年程度住めればいいと割り切って、適当に手を入れれば良いのです。この場合、屋根の葺き替えと壁の塗り替え費用として月あたり1万円を貯蓄しても、おつりがくるでしょう。

 

結論を言いますと、資産として考えた場合、一戸建ては土地、マンションは建物です。だから一戸建ては土地の資産性が、マンションは立地と管理状態が重要になります。

 

ですので資産性の観点からも、マンションは修繕積立金で建物を維持修繕するのは当然ですし、だからといって一戸建てがそこまでのクオリティの修繕を自分で積み立ててする必要も無いのです。

 

このような視点を組み込んだうえで、一戸建てとマンションどちらを選択するかが、数十年後の老後資産を形成するうえでは大きな違いとなってくるのです。

 

2-2.マンションは「モノ」ではなく、ただの空間を売買している!?

 

先程「マンションとは空間価値を買うもので、区分所有法という法律により土地も建物も不完全な所有権です。」とお伝えしました。

 

もう少し詳しくお伝えすると、マンションは土地、建物とも一応持分を有しますが、「区分所有権」のため、「どの部分が自分のもの」というように所有権を主張することができません。あくまで土地、建物は「みんなもの」で共有で所有しているという概念なんです。

 

ここで「おや?ではマンションは何を売買しているのだろう?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そうですよね、土地も、建物も特定の一部分を「ここは俺のもの」と主張できないのですから、実はマンションの土地も建物も売買することはできないことになります。

 

実は、マンションはモノでは無く、「空間」を売買しているのです。

 

具体的には、壁、窓、玄関ドアといった共有部分の内側の居住空間になります。目に見えるようで、見えない空気のような空間を取引するのが、マンションの売買の実態です。実態があるのかないのか、突き詰めていくとよくわからなくなります。

 

ですので、地震などの災害で建物が壊れると非常に困ったことになります。自分だけ単独で所有権を主張できるモノは何もないのですから、更地にして土地を売却するにしても、建て替えるにしても何をするにしても、「みんなで決める」しかありません。

 

建物が壊れるといった極端な例までいかないにしても、管理状態が悪くなったり、自殺や火事などが自分の家で起きなくても告知義務が生じたり、とにかくマンション全体で連帯責任が生じます。

 

モノでは無く空間という、極めてあいまいな価値を売買するので、将来の資産価値は非常に予測しにくいところはリスクとして認識しておいた方が良いでしょう。

 

2-3.駅近の一戸建ては住みながらにして稼ぐ、頼もしい働き手

 

一戸建てを建てる際、土地と建物が自己所有であり、売ったり貸したりが自由にできる点は大きなメリットです。

 

一部を貸すという選択をすることで、敷地部分であれば駐車場として、建物部分であれば部屋を貸し出すことで、一定の賃料収入が得られてその分を住宅ローンの返済に補てんすることも可能となります。

 

あなたがミニ大家さんとなって部屋を貸し、駐車場を貸して収入を得ることを想像してみてください。なんとなく老後に向けた安心感が増してきませんか。不動産というのは、売却時だけでなく、所有しながらも収入が得られる頼もしい資産なんですね(^^)

 

 

2-4.資産性の違い

 

マンションと一戸建ての資産性の違いにも触れておかなければなりません。

 

一戸建ては建物部分が20~30年かけて減価償却されて、価値はゼロに収束します。分譲住宅を購入した場合、建物価格は約1,200万円ですので、5,600万円の物件の場合、4,400万円が土地代になります。

 

3.マンションと一戸建ての住環境を比べてみよう!

 

マンション派の方も、一戸建て派の方も、意外と多いのが昔のイメージを引きずっていたり、思い込みだったりすることがあります。

 

ですので、今の現実をお伝えしつつ、マンションと一戸建てのホントのところを分析していきます。

 

3-1.「一戸建ては寒い」の誤解

 

たしかに、数十年前の一戸建てってスキマ風が入り込んだりするイメージで寒かったですよね。

 

今の一戸建ては全窓がペアガラスが標準です。ペアガラスとはガラスとガラスの間に密閉された中間層をもっています。

 

これにより光の透過性を保ちつつ、断熱効果を得られます。断熱効果一般的な断熱材と同じ原理を用いており、対流が起こらない状態の空気は断熱性能が高いという性質を利用しています。

 

サッシもアルミが標準のため、たいへん気密性が高くなっていて、24時間換気の設置が法律で義務付けられているほどです。この点、マンションとほとんど遜色がないといって良いでしょう。

 

※24時間換気システムとは室内の空気をファンなどの機械を使って2時間に1回、家じゅうの空気が入れ替わるよう計画的に換気して、24時間、常に新鮮な空気を維持するためのシステムです。

 

住宅の高断熱高気密化にともない、VOCをはじめとした、化学物質による
シックハウス症候群の増加が問題になりました。そこで、2003年に建築基準法が改正され、24時間換気システムを設置することが義務づけられました。

 

3-2.「一戸建ては庭の手入れがたいへん」の今

 

これもよくあるマンション派の方の意見です。だいたいが地方から出てきた人か、都市圏でも郊外の広い庭の一戸建てで生まれ育った方が持っているイメージです。

 

ところで、今の一戸建てをご覧になったことがありますか。

 

特に都市圏の市街地に位置する一戸建てで、草木が生えるような土がある庭があることはほとんどありません。駐車スペース以外に空間は無く、そこはすべてコンクリートで覆われています。管理する庭は実は存在しません。

 

3-3.「眺望が良いところ=マンション」ではない

 

確かにマンションは高層の建物が多く、一戸建ては高くても3階までですので、建物だけで比較するとマンションの上層階に住むしか眺望が得られなさそうですが、一戸建ての場合でも、地形を利用して高台の立地の物件であれば、眼下に夜景が広がったり、海が見えたり、スカイツリーが見えたり、富士山が拝めたりといった理想的な眺望のある生活が実現できるのです。

 

3-4.「防犯性が高いからマンションがいい」の誤解

 

実際には戸建て住宅もマンションもほぼ同率で、泥棒の被害に遭っています。最近の統計では、一戸建て総数2649万戸、マンション総数1873万戸です。戸数の比率は、戸建て1に対してマンションは7割程度。

 

一方、ドロボウ被害の比率は戸建て35.6%に対して、マンション24.4%ですから、戸建て1に対して、マンションはやはり7割程度となり、ほぼ同率です。

 

また最新の一戸建て住宅は、窓や玄関の防犯性を高めていて、玄関ドアは2ロック(錠が2箇所)が当たり前で、窓には防犯フィルム入りやシャッター雨戸を付けられます。

 

さらに、街区全体のセキュリティを高めたり、住民の安全確保を目的として整備されているエリアがあります。「クルドサック」という欧米の街づくりを取り入れ、住宅地内の道路を「通り抜け不可」となるように設計されている街です。

 

こういったエリアでは、無関係の車が抜け道をしようと住宅地内に入ってきても、通り抜けができず、入ってきたところに戻るだけで事故が減り、部外者が立ち入らないので不審者が目立つという効果も生まれます。

 

事故防止や犯罪防止効果が得られるのです。マンションは建物全体で、一戸建ては街全体で防犯をする、そんなスタイルが今後ますます、主流になっていくでしょう。

 

3-5.ご近所づきあい

 

よく「近所づきあいが煩わしいから、マンション」という方がいらっしゃいますが、これも大きな誤解です。

 

今はマンションも一戸建ても、地域によるばらつきはあっても近所づきあいは日常のあいさつ程度のところが多いのです。

 

一戸建ての場合は回覧板などがある地域もありますが、特にピンポンもせずにポストに入れて回している程度です。

 

最近は共働きの世帯が増えていたり、週末勤務などの勤務形態の多様化もあり、住民同士で予定が合うことも少なくなりましたので、戸建てにしろ、マンションにしろ付き合う時間も無いという状況ではないでしょうか。

 

近所づきあいで問題を孕んでいるのは、多くの人が持っているイメージとは逆にマンションです。というのも、先だっても話した区分所有法という不完全な法律が住み続けるほど、ボディーブローのように効いてくるのです。

 

そもそもご近所と言っても、一戸建ては所詮は他人事で済みますよね。だって、家は土地も建物もそれぞれが独立して所有をしていて、正直言ってお隣さんとも何の関係も無いんですから。

 

でも、マンションのお隣さんとは、そんなにドライな関係でいられるのでしょうか。建物も、土地も、すべて住民の共有財産。どこにも自分だけで自由に使えたり、処分できる部分が存在しないのがマンションです。

 

売買したり、多少手を入れられるのは、共有部分の内側-玄関ドアや窓サッシ、隣戸との壁の内側のみです。建物自体ではなく、部屋という空間が自由にできるのみ。新築で住み始めてしばらくは何の問題もなく過ぎるでしょう。

 

ですが数十年の歳月を経たり、災害に見舞われて建て替え話が浮上した時、避けられないご近所づきあいが生じるのです。しかも大切な財産を共有するご近所ですから、綺麗ごとだけでは済まないでしょう。

 

年齢も子どもからお年寄りまでまちまちですし、考え方や価値観もそれぞれの中、共有財産の建物をどうするか―正解の無い中で解決策を探るのは相当、たいへんではないでしょうか。

 

また、管理状態は資産価値にも影響してきます。あなたはちゃんとしてても、ご近所の中に管理費や修繕費、駐車場代を滞納している人がいれば、途端にそのマンションは売却の時に敬遠されます。

 

財産=お金を共有するご近所付き合いが否応なく付きまとうマンションが、果たしてほんとうに人間関係が煩わしくないのでしょうか?

 

「人間関係で多少、躓くことはあっても、所詮は他人。」割り切れる、独立した財産を持てる一戸建ての方が、圧倒的に近所付き合いは楽ではないでしょうか。

 

4.まとめ:古いイメージや思い込みを取り払って最適な選択を!

 

いかがでしたでしょうか。マンションと一戸建てをそれぞれ価格、資産価値、環境の3つの視点で比べてみました。

 

それぞれにメリット・デメリットがあるので、たいせつなことは過去のイメージや思い込みに惑わされず、真の姿を見比べて判断することだと思います。

 

時代の流れによる人々の価値観の変化、そして技術進歩による建築環境の変化によるマンションと一戸建てを取り巻く状況の変化を正しく知って、あなたの人生にとって最適な選択をするお役に立てればうれしいです。

笑顔で暮らせるマイホーム購入に向けた5つのステップ

2021年1月20日

多くの方が「家を買おうかな」と思ったら、どうしてよいかわからず、まずはS社やH社などで検索してみることが多いようです。他にも、チラシに入ってきたマンションのモデルルームや住宅展示場にいきなり行ってみてしまう方も多いようです。

でも、ちょっと待ってください!

そう思っているあなたは、実はもうすでに失敗への階段を一歩一歩、上り始めているかもしれません・・・。

せっかく、夢や理想の住まいを思い描いてワクワクしているのに、驚かしてごめんなさい。でも、はじめての住宅購入で失敗しないためにも、押さえておきたいことがあります。

わかりやすく5つのステップにまとめてみたので、読み進めてみてください。

<笑顔で暮らせる新居に向けた5つのステップ>

ステップ1:予算を見極めて戸建とマンションを比較する

ステップ2:住宅ローンの事前審査で資金計画を制する!

ステップ3:マンションと一戸建てを比較する

ステップ4:エリアを比較する

ステップ5:信頼できる不動産会社にお願いをする

ステップ1 予算を見極めて戸建とマンションを比較する

多くの方が失敗に陥る階段の一段目が、この予算を決める段階です。

あなたは、マンションにするか一戸建てにするかを決める時、同じ価格で比較しませんでしたか?あるいは、しようとしていませんか?

もしくはマンションは管理費等がかかることは知っているから、少しだけ下げて探そうと思っていませんか?

いずれも正解とはいえません。実は、ここに落とし穴があるのです。

そして予算についてはもう完璧!のあなたに、こんどは下記の選択が押し寄せてきます。

・一戸建てがいいのか?マンションがいいのか?

・一戸建てだったら、建売がいいのか?土地を購入して注文がいいのか?

これらの疑問を解消する、下記の2つの記事を抑えておけば大丈夫です。

・後悔しないマイホーム購入「マンションVS一戸建て」選び方

・建売VS注文住宅。もしものときに本当に安心なのは・・・

ステップ2 住宅ローンの事前審査で資金計画を制する!

あなたは、おそらく住宅ローンを利用して住宅を購入しようと考えていると思います。でも年収の何倍もの大きなお金を借りることなんて初めてで緊張しますよね。

頭金はどのくらい貯めたほうがいいのかな?とか、無理のない返済ってどうしたらいいかな?とか不安に思っていることも多いのではないでしょうか。

そんなあなたに、下記の2つの記事をご用意してあります。

・住宅ローンの頭金はゼロ?貯めた方がオトク?頭金の誤解と真実

・安心!住宅ローンの審査に通るポイント

ステップ3 新築と中古、それぞれのメリットデメリットを知る!

予算と資金計画、そしてマンションか一戸建てかを絞り込んできたあなたに、こんどは新築がいいのか?中古がいいのか?の選択が押し寄せてきました!ここでは下記の記事をじっくりとお読みください。

・中古はおトク?「新築VS中古」結局どっちの物件がいいの?

ステップ4 エリアを比較する

探す予算も物件もある程度イメージが湧いてきたあなた。さあ、こんどはエリアをどこにしようか、と考え始めてくる段階です。

もしくは、はじめから探すエリアが気になっていたかも知れませんね。

単純に今住んでいるエリア周辺で探そうとしているかもしれませんし、これを機に見知らぬエリアも検討しようと考えているかもしれません。

そんなあなたに、ぜひ読んでおいていただきたい、おすすめ記事を3つ、ご用意しました。

・徹底比較!賃貸vs購入。損をしない住まいの選び方

・都市圏の限界集落の真実に迫る!

・災害リスクを制する者がマイホーム購入を制する

ステップ5 不動産会社を選ぶ

「え!?ここまで来たら、最後は物件選びじゃないの?」と思われたのではないでしょうか?

慌てないでくださいね。実は失敗する最大の原因は、「住まい選びは物件選び」という思い込みだからです。

この記事を読んでいるあなたは、とても幸運かも知れません。というのも、このことを知らずに購入してしまって、住み始めた後に「こんなはずじゃ無かった!」と悔しい思いをしている方は、ほんとうに多いのです。

「物件選びの前に、どうして不動産会社選びなのか?」
「後悔しないための不動産会社選びって、どんなふうにするのか?」

住宅購入で最大の肝である、このことを知るのに最適な記事は、こちらです!

・失敗事例から学ぶ! 必勝の住宅購入術

・・・いかがでしたでしょうか?

それぞれのステップやテーマに基づいて、リンク先の記事をお読みいただいたあなたは、もうすっかり家探しのプロ!です。どうぞ安心して人生最大のイベントを楽しんでいただきたいと思います(^^)

最後に

これらの記事を読むと得られること。それは、ありきたりの情報や知識ではなく、自分の頭で考えた「自分軸の知恵」が身につくということを目指しています。

「人生でいちばん大きなお買い物だからトコトン、納得がいくまで考えて決めたい。」

家を買おうかな、と思った大半の人は、そう思っています。

でも、不動産会社やハウスメーカーの営業マンは、自分のノルマのために

・オリンピックまで値上がりするから早く

・金利が低い今が買い時

・迷っていると買えない人になる

などなど、さまざまな言葉で焦らせて、できるだけ考えないようにします(^^;)

その結果、契約した後に「こんなはずじゃ無かった」「聞かされていなかった」という悲しい思いをされている方がいらっしゃいます。

「売ってしまえばおしまい」の発想だから、このような事例が後を絶たないと思われます。

現在、ネットやスマホのおかげで、情報に容易にアクセスできるようになった分、簡単に「知識」は得られるようになりました。

ですが私は、自らの頭で考えて行動した結果得られる「知恵」を付けるお手伝いがしたいと強く感じています。

ですので私が発信している記事は、万人の方にとって「絶対に正しい」という驕りの気持ちで書いていません。

このサイトでは「これが正しい!」とそのまま鵜呑みするような情報ではなく、それぞれにあった住み替えを、じっくり考えていただくために必要な「本質に近い言葉」をお伝えしていきたいと思います(^^)

・どうしてそうなるのか?

・巷に溢れている情報の何が「ほんとう」なのか?

・ほんとうに自分にとって相応しい住空間って、どんなだろう?

それぞれの方が、それぞれに頭に汗を流して、自ら体験して導き出した「自分軸の正解」を見つけていただきたいと思います。

ここでは、その一助となるような「ものごとの本質」をじっくり考えられる、そんな良質な言葉を投げかけていきます。

徹底比較!賃貸vs購入。損をしない住まいの選び方

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賃貸がいいのか、いっそ思い切ってマイホームを購入しようか。「家賃を払い続けるなら購入した方が得」という話も聞くけれど、実際に購入してしまったら、ずっとその家に住まないといけないのは、ちょっと不安。住宅ローンの心配もある。今あなたは、そんな迷いを持っているかもしれません。

また、「購入はしがらみがあり不自由で、賃貸の方が気楽」という感覚を何となく持っているかもしれません。

いま、住宅系のネットや本などでは「賃貸と購入どちらが得か」とか、「日本は人口が減り、空き家が増えるから購入よりも賃貸」という、定型化して思考停止状態に陥ったアドヴァイスが氾濫しています。

ですがここに落とし穴があるのです。「賃貸」「購入」「日本」といった言葉でひとくくりにされた中に、実は真実がオブラートのように隠されてしまいます。

この記事では、実際のところ、マイホームは賃貸がいいのか、購入したほうがいいのかを徹底比較し、あなたにとって最適な決断ができるようにお手伝いしていきます。

-目 次-

1.賃貸がいいか、購入がいいかは、エリアで決まる

1−1.同じ日本でもこんなに違う不動産の資産価値

1-2.日本の大半のエリアは賃貸がおすすめ

1-3.購入に向くエリア

1-4.購入に向くエリアで注意すべきポイント

1−4−1.都心部に存在する「限界集落」

1−4−2.なぜ「限界集落」が都心部に存在するのか

2.エリア以外に知っておくべき、賃貸と購入の違い

2−1.賃貸と購入のそれぞれで交わされている契約の違い

2−2.自分を富ませるのか、大家さんを富ませるのか

2−3.安心感

2−4.災害リスク

2−5.周辺環境

2−6.万が一のとき

3.住まいの資産性について

3−1.資産性があるとは?

3−2.年収の何倍もの多額の借金をする

3−3.てこの原理で未来資産の先取り

3−4.物を持たない、という選択もアリ

4.まとめ

1.賃貸がいいか、購入がいいかは、エリアで決まる

あなたは、今「賃貸にしようか、いっそ購入しようか」と考えているかもしれませんが、実は、賃貸のほうがいい、購入のほうがいい、というふうに、単純に断定することはできません。

なぜなら、日本は資産性の観点から、賃貸の方がよいエリアと、購入の方がよいエリアに分かれているからです。

1−1.同じ日本でもこんなに違う不動産の資産価値

国土交通省が発表した2016年基準地価の都道府県別変動率を見ると、日本の地価はごく一部の地域を除いて総崩れ的な下落が続いています。

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これは少子高齢化と日本の人口が減少に転じたことによるものです。

内閣府「平成28年版高齢社会白書」によると、日本の総人口は2010年の1億2,806万人をピークに減少し続け、2060年には8,674万人になると推計しています。

(図2:高齢化の推移と将来推計)
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(出典:内閣府「平成28年版高齢社会白書」より転載)

この四半世紀ほどで人口は4分の3になる一方、高齢化率は26.7%から39.9%まで増加すると言われています。

1-2.日本の大半のエリアは賃貸がおすすめ

つまりまとめると、人口が減少して空き家が増え続けるエリアにおいては、不動産資産の価値の上昇は見込めないということです。

災害による建物資産の破滅リスクなどを考慮すると、資産というよりも負債を抱えるイメージとなります。

よって、購入して無用な責任や負担を背負うよりも賃貸で自由気ままに住むほうが楽と言えるかもしれません。

1-3.購入に向くエリア

しかし、これは日本の国土を見渡して、どこの地域も一律で同じ傾向を辿るわけではありません。

人口が半分以下になる地点が現在の居住地域の6割以上を占める一方で、人口が増加する地域の割合は2%以下ですが、東京圏と名古屋圏に多いと予測されています。ここに福岡や沖縄などのごく一部の元気な地方圏も加わる形です。

(図3)
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※人口増減率(2010-2050年)別の地点数割合(1km2毎の地点)
赤=増加地点(2%)、水色=0%以上50%未満減少(35%)、青=50%以上減少(44%)、灰色=100%減少(非居住地化)(19%)
(出典:平成26年国土交通省発表「国土のグランドデザイン2050」資料より一部抜粋)

これらの地価上昇エリアでは、基本的に購入して不動産を資産として所有することで、貯蓄または運用の効果が期待できると言えます。

こうしたごく希少なエリアだけは、賃貸よりも購入したほうが良いと言えます。

1-4.購入に向くエリアで注意すべきポイント
では、先に挙げた、東京圏や名古屋圏ならどこでも購入に向くか、というと、そういうわけではありません。

1−4−1.都心部に存在する「限界集落」
「限界集落」という言葉をご存知ですか?この言葉を聞くと、とんでもない山奥や都会からはほど遠い田舎の地域をイメージするのではないでしょうか?

でも実は、人口が流入している首都圏の中のとある地域でも、若い人が一度出たきり戻ってこず、人口が減少し続けているところが増えているんです。

現在、日本でいちばん人口増加率が高い首都圏エリアでも、このようなエリアは増えていますし、こういった限界集落エリアの人口減少は減少率が年々大きくなっているのです。

そしてこういった人口減少エリアは当然、地価が下落して物件価格も下がっています。

つまり大局的には人口増加エリアに位置していても、局所的には減少し続けているエリアは存在するということです。

1−4−2.なぜ「限界集落」が都心部に存在するのか
限界集落エリアは、以下のような特徴があります。

最寄駅からバス便でしかも本数も1時間に1本以下と少ない
駅徒歩圏でも坂がきついか、階段しかなく徒歩以外の移動手段が無い
スーパーやコンビニが近くに無い
一方、都市圏で人口が増加しているエリアの特徴としては、利便性がポイントとなる下記のことが挙げられます。

勤務先が集まる都心に近くて出やすい沿線、駅
駅に出やすい、徒歩圏
スーパーやコンビニなどの商業施設が充実
徒歩や自転車などでの移動が楽な地形

もちろん、横浜の山手や鎌倉など一部例外はありますが、このような地域はブランド力が大変強いため、ごく特殊なケースと認識しておいて構いません。

つまり、人口増加エリアの共通条件を満たしていない、上記のような特徴を有するエリアは、概して都市圏の限界集落であるケースが多く見受けられます。

ではどうして、一見して便利な都市圏にこのような不便な住宅街が存在するのでしょうか。それは日本人の価値観の変化にそのヒントがあります。(詳細は『徹底検証!都市圏の限界集落の真実に迫る!』を参照してください。)

2.エリア以外に知っておくべき、賃貸と購入の違い

この章では、以下の6つのポイントで、賃貸と購入との違いをお伝えしていきます。なお、この章で「マイホームを購入した場合」というのは、住宅ローンを利用して購入した場合を指します。(マンションと一戸建ての区別はありません。)

契約の違い

住居費の実情

安心感

災害リスク

周辺環境

万が一のとき

2−1.賃貸と購入のそれぞれで交わされている契約の違い

まずは、2つの契約の違いから押さえていきましょう。

実は、住宅を購入した場合も、賃貸の場合も、どちらも「自分のモノ=所有物」ではないことをご存知でしょうか。

賃貸は家が自分のものではないことは、みんな知っているし、感覚的にもわかることですが、購入もまた、実は鍵を引渡された時はまだ自分のものではないことを、感覚的にわかっている人は意外に少ないのです。ですので、この話をクライアントの方にすると、みなさん「えっ」と驚きます。

賃貸も購入もそれぞれ、契約があることはご存知だと思います。この契約内容の違いが、実は賃貸と購入を比べる上ではとっても大切なことです。

契約内容の違いを意識せずにただ金額面だけを比較していては、物事の表面しか見ていないことになり、たいへん危険なことです。

なぜなら、借りているものが不動産なのか、それともお金なのか、そして借りている相手方が大家さんという個人なのか、銀行という法人なのかという違いで、お金の流れと「もしもの時」の対応に大きな違いが生じるからです。

まず、賃貸は「賃貸借契約」という大家さんと交わした契約です。

一方、住宅ローンを利用して購入した場合は「金銭消費貸借契約」という銀行と交わした契約となります。

家を買うとき、登記簿謄本を見る機会があります。これは人でいうところの戸籍謄本のようなもので、家にまつわる権利関係が記載されたものです。

住宅ローンを利用して購入した場合、ここの所有権欄に「抵当権」という権利が記載されます。権利主体は銀行なのです。

2−2.自分を富ませるのか、大家さんを富ませるのか

賃貸から購入に変わると、大きく変わるのは住居費の内訳です。

家賃8万円の賃貸と購入して月11万円の返済とを比較した図を見ていただくと、住居費は8万円から11万円に3万円も上がるのに、その内訳の消費部分(支払ったまま戻ってこないお金)は8万円から5.5万円に2.5万円ほど下がります。

なぜ、このようなことが起こるかというと、賃貸では全額、大家さんにお金が流れて行って戻ってきませんが、購入では一戸建てを購入した場合、住居費のうち住宅ローンの金利分、建物の減価償却分を差し引いた額が不動産資産として手元に残るからです。

マンションを購入した場合は管理費、修繕積立金、駐車場代を差し引いた額が不動産資産としてストックされていきます。

資産性という観点で言い換えると、住みながら自分を富ませるのが購入で、見ず知らずの大家さんを富ませるのが賃貸なのです。

2−3.安心感

当たり前ですが、購入の場合の住宅は、買って住む人のために建築されています。ですので、家族と安心して住みたいというニーズに応えるべく、相応の耐震性と耐久性を有しているのです。

一方で、賃貸は誰のために建てられたのでしょうか。これはとてもシンプルに「大家さんが儲けるため」です。

そのためには、どういった建物が望ましいでしょうか。できるだけ建築費を安く仕上げたいのではないでしょうか。そのため、購入の場合の家と比べると、どうしても本体構造が華奢にならざるを得ません。耐震性も、耐久性も言わずもがなと言えます。

上記のみならず、持家と賃貸では目に見えにくく、数値化しにくいところで大きな違いが出てきます。

まず、QOL(生活の質)について触れますと、先程もお話ししましたが建物構造が購入の場合と比べて華奢に仕上がっていますので、壁や床も薄くなりがちです。そのため日常の生活音(赤ちゃんの泣き声、子どもの走り回る音、洗濯機など)は響くようになります。

2−4. 災害リスク

また、災害リスクにおいても耐震性が見劣りする以外に、そもそも建てられている土地の地盤が脆弱だったり、過去に水害が発生したようなエリアであっても賃貸を探す人はそれほど、気にしていないので災害リスクが高いものも普通に物件として流通しているのが実情です。

2−5. 周辺環境

さらに、これは住宅そのものの違いではありませんが、周辺環境にも違いが見られます。中でも、近隣住民の質は見えないですが結構違いを感じられるのではないでしょうか。

一般には、賃貸エリアは持家エリアよりも所得層が低く、正社員比率も低いことからマナーの低さと、定住意欲も低いために近隣に対して無関心になりがちです。

よく、賃貸から持家に住み替えをされた方で、特に子どものいる奥様から、「この地域は子どもにちゃんと目が届いている安心感がある」という言葉を聞くことがあるのは、母親の本能がその雰囲気を感じ取っているからかもしれません。

2−6. 万が一のとき

よく「持家は住宅ローンを組むから、住む場所も勤務先も一生、束縛されるのが煩わしい。賃貸のほうが住み替えたい時に住み替えられて気楽」という話も聞かれますが、実体はどうなんでしょうか。イメージだけに囚われず、さまざまなケースを想定して検証してみたいと思います。

・もしもの時に待ってはくれない(賃貸は待ってくれない、持ち家ローンは待ってくれる)

まず、賃貸で住み続けて、仮に病気で働けない期間が生じたとします。貯蓄もゼロ。この状況で大家さんは家賃を待ってくれるのでしょうか。あなたが大家さんだったら、どうでしょうか。親せきや友人ならまだしも、払ってくれる保証が無い人に支払いの猶予を与えてくれる奇特な人はいないのではないでしょうか。

また、気軽に住み替えができると言っている人も、それはちゃんと働いて定期収入があるから言えることで、それこそ病気のときやリタイアした後などは年を取ればとるほど、大家さんからは敬遠される実情はご存知でしょうか。

社会的な信用も無いので、お金が必要な時に借り入れもしづらいのです。ここまで考えるとある意味賃貸は制限付の自由を享受していると言えるのではないでしょうか。

一方、持家は住宅ローンを借りられさえすれば、転職も可能です。むしろ転職すると一定期間、住宅ローンが借りられなくなってしまいますので、ひとつの場所に留まらず、転職志向の強い方にこそ、安定した勤務先に勤めている間に家を買うことをおすすめします。

なぜならば疾病補償付の住宅ローンを借りれば、がんや心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病などで入院して、収入が一定期間減ってしまった場合など、返済を猶予してくれるからです。

失業等で支払いに困った場合も、早い段階で銀行の窓口に相談に行けば、月々の返済額を減らすなどの対応を親身になって考えてくれます。これは国の指導に基づいて、全銀行が対応するように促されているので、この点は安心できる要素です。

さらに、持家には貯蓄効果のほかに生命保険の機能を有しているのをご存知でしょうか。これは住宅ローンを組む際に必ず生命保険に加入することが条件となっているからです。

これにより、たとえば融資が実行された翌日に万が一のことがあって無くなってしまったとしても、その瞬間に住宅ローンの債務が消滅して、家はあなたのものになります。

最近では、ガンなどの生活習慣病になった際にも債務を免除してくれる保証が付いた住宅ローンも増えてきています。当然、死亡時には生命保険機能が働いて、即時に家が残されたたいせつな人のものになるのです。

この安心感は何物にも替えがたいのではないでしょうか。

3.資産性の観点

『1−1.同じ日本でもこんなに違う不動産の資産価値』にて、地域エリアによって、不動産の価値が異なることをお伝えしましたが、実は、この「不動産の資産性」について、きちんと理解をしていない方が多いようにも見受けられます。

ひとくちに、マイホームを「購入する」と言っても、実は、車を購入したり、テレビなどの大型の家電を購入とは全く異なります。

それは単に、金額の大きさだけではなく、「購入する物件によっては資産性がある」ことと「年収の何倍もの多額の借金をする」ことです。

この「不動産の資産性」についての理解が十分でないと、住宅ローンを長期で組んで返済をしていたが、結局老後に破産をしてしまった、というようなことが起こる方もいらっしゃるようです。ぜひ、しっかりと知識をつけてください。

3−1.「資産性がある」とは

日本人の資産と呼ばれるものがぜんぶでいくらあるかご存知ですか?ここ数年は約2,600兆円で推移しており、うち金融資産が1,600兆円あります。残り1,000兆円は不動産資産という配分です。

そうです。不動産は買うものの中では異質の、お金と同じように手元に残る資産として考えられているのです。

「買ったら、その価値の対価として支払ったお金は出ていって戻ってこない」という、一般的なものを買うというイメージと、お金の流れが違うと考えてください。

これは何を物語るかと言いますと、車やテレビは10年後、20年後に資産として計上することができないにもかかわらず、家は資産性の高いものさえ選べば、10年後も老後も資産として残っているということです。

3−2.年収の何倍もの多額の借金をする

家を買う場合だけ、銀行はほかの商品を買う場合とは比べ物にならないくらい、たくさんのお金を貸してくれます。なぜ、年収の何倍ものお金を貸してくれるのでしょうか。貸す側の立場で考えると、それはとても怖いことです。

それには「物件力」「収入力」そして「健康力」の3つの歯車がしっかりと噛み合う必要があります。あなたの人生において、銀行はいつでもこんなに多額のお金を貸してくれないことを、頭の片隅には残しておきましょう。このことについてはまたあとで書きますね。

3−3.てこの原理で未来資産の先取り

家という資産性の高い商品を、住宅ローンという年収の何倍ものパワーを借りて買うという行動は、言い換えると「未来資産を先取りする」行為と言い換えらえるのではないでしょうか。現金で数千万円もする不動産を買うためには、それこそ月々数万円ずつ貯めながら数十年の月日をかけなければなりません。

この間、必ずかかる衣食住のうち、住居費は家賃として消えていってしまいます。月々10万円としてもその額は1年で120万円、10年で1,200万円、30年で3,600万円にもなるのです!これだけのお金を支払い続けながら、家を買うだけのお金を貯めるには何十年かかるでしょうか!

そう考えると、欲しいと思った今、さきほどの3つの条件さえ揃えばお金を貯めずとも、いますぐに理想の家を買えるだけのお金を貸してくれる、この住宅ローンというものは、とても有難く感じられます。

ですので、この有難いものの恩恵をしっかり享受するためにも、住みながら住宅ローンを返済していくうちに、どんどんどんどん、不動産という資産が貯まっていき、数十年後にその豊かさを実感できるように、まさに「今」の選択を大切にしたいものです。

3−4.物を持たない、という選択もアリ

資産性の有無を加味して、物を持たない、という選択をすることはアリだと思うのですが、いわゆる賃貸派と購入派の議論ではこれがスポンと抜け落ちていることがよくあるので、この点、気を付けておきたいところですね。

車は必需品ではないし、資産性も無いのでレンタカーもアリですが、住む家は無くてはならない必須のもので、資産性もあるのですから、何でも同列に「レンタルで良い」と語れるものではないでしょう。

4.まとめ

地価上昇し続ける地域と、そうでない地域が二極化していき、これからの日本はますます、同じ日本としてひとくくりで見られないほど、あたかも違う国かのような変化を起こすものと考えられています。

これが日本各地の土地の値段に影響を与えて、定期的に発表される地価に反映されるわけですが、ほかには外国人観光客の増加により店舗やホテル用といった商業地価が増加している地域と、まったく影響の出ていない地域にも分かれています。

さらに、実需といって実際にそこに住みたいと思って買う人以外の、「ここを買っておけば将来、上がるから儲かる」や「人に貸して家賃収入を得たい」という投資にために買う人のお金も入ってきているのです。

つまり、日本各地の不動産の資産価値は、そこに「住みたい人」、観光客など「訪れる人」、そこの「不動産で儲けたい人」、という3つの要因が増えるか、減るかで同じ日本とは思えないほどに全く違った結果となるので、この不動産の資産性を踏まえずに、賃貸と購入の議論はできないと言えるのではないでしょうか。

いま、住宅系のネットや本などではFPや宅地建物取引士などの専門家がしたり顔で「賃貸と購入どちらが得か」とか、「日本は人口が減り、空き家が増えるから購入よりも賃貸」という、定型化して思考停止状態に陥ったアドヴァイスが氾濫しています。

ですがここに落とし穴があるのです。「賃貸」「購入」「日本」といった言葉でひとくくりにされた中に、実は真実がオブラートのように隠されてしまいます。だって、先ほどもお伝えしたように「日本」はもう、ひとくくりにできないくらい、別の国のように地域間格差が生じているのですから。

あなたはぜひ、立ち止まってご自身の頭で考える時間をもってください。私のこの記事は、そのための材料の一つとして、決して思考停止に陥ることの無いよう、すべてを鵜呑みにしないでいただきたいと思います。

マイホームも資産運用も!100%満足を実現する、マンション購入の注意3か条

マンション購入を考えているあなたは、ネットや雑誌などの情報があまりに多く、何を優先させて考えるべきかを悩んでいるかもしれません。

ここでは、マンション特有の問題点や注意点をわかりやすくまとめてみたので参照ください。

1.これだけ押さえればOK!マンション購入の注意3か条

1-1.価格に注意!首都圏などは価格が高騰

1-1-1.バブル期と同水準まで価格が上昇している!

1-1-2.需要と供給のバランスが崩れ出した

1-1-3.マンション購入に向いているエリアとは?

1-2.権利に注意!区分所有法の罠

1-3.管理に注意!資産価値を決める要因

2.赤裸々告白!マンション購入失敗談

2-1.実は大きなストレスになる「音」問題

2-2.どうしても取れない「におい」問題

2-3.売るに売れない貸すに貸せない資産問題

3.安心して買えるのはいくらまで?

3-1.年収のどれくらいまで買えるか?

3-2.35年で1,800万円の恐怖!?

4.業者の甘い罠 マンションで資産運用の3つのリスク

4-1.利回り

4-2.資産価値

4-3.耐用年数

5.豊かな老後に備える!おひとりさまのマンション購入

1.これだけ押さえればOK!マンション購入の注意3か条

1-1.価格に注意!首都圏などは価格が高騰

現在、マンションを購入検討にしている場合、気を付ける第一のポイントは「価格」です。

ここ数年、世界的な視点で見ると、日本の不動産は相対的に割安であったため、不動産投資マネーが大量に流入してきた結果、価格が上昇しています。

1-1-1.バブル期と同水準まで価格が上昇している!

結果、2003~4年に底を打ったマンション価格からすると場所によってですが、およそ1.7倍程度まで価格が上昇し、平均年収の11倍に達するようになっています!これは90年初頭のバブル期のような価格動向に近い状態です。

不動産のうち、マンションに偏って資金流入が続いたせいで、一戸建てに比べると相当いびつな価格相場となっているようです。ところが2016年に入って、状況に大きな変化が起きてきました。

1-1-2.需要と供給のバランスが崩れ出した

投資マネーが底上げしていたマンション価格に、なんとか居住用に購入している層も追随していたのですが、いよいよ「ここまで上がると、もう買えないよ」と音を上げだしたのです。

一方で売り手にも価格を下げたくない事情があります。それは原材料と人件費の高騰による建築コストが上昇していることと、土地の仕入れ値自体も上がっている点が挙げられます。

これは株式市場に例えると、「ストップ安」一歩手前になっている銘柄(物件のこと)もあり得るという状況です。ストップ安とは、売りたい人の価格と買いたい人の価格との差がありすぎて、取引が成立しない状態を言います。

この状態は見方によると非常に危険で、どのタイミングで大きく下がるかがわからない「大幅な下落リスク」を孕んでいるともとれるのです。もちろん、買い手が価格上昇についていかれる限りは、問題はありません。

でも、ここでよく考えてみていただきたいのですが、首都圏エリアは他地域からまだまだ流入して人口が堅調に増えているとはいっても、マンション価格の上昇幅とは大きくかい離しているのです。

わかりやすく例えると、人口が3割増しになって価格が3割上昇したのであれば、なんとなく感覚的にも理解できるます。

しかし、数%しか増えていないのに、値段だけ5割も上がっているとしたら、「ちょっとおかしいぞ」と思いませんか。

現在のマンション価格が適正かどうかは、さまざまな意見があります。とある雑誌には、投資用不動産業を営んでいる方が「価格の上昇はこれからも続く」と強気の記事を書いていました。

しかし、言葉は何を言っているかよりも、「誰が言っているか」がはるかに重要です。その発言によって、誰がどのような利益があるのか、その人を信用できるかという観点で判断し、本質的思考をしていただきたいと思います。

1-1-3.マンション購入に向いているエリアとは?

現在マンションを選択する場合は、この価格下落リスクが低く抑えられるエリアはどこかを見極めて探す必要があります。

プロの見立てでは首都圏では都心3区(千代田・中央・港)をAAAに格付しています。それに周辺区(渋谷区・新宿区等)が追随する形です。

もちろん、これらの区でもまったく下がらない保証はないのですが、人口流入と投資人気度、そして居住対象としてもマンションを物件対象として探す人が多いエリアである点が、下落リスクを抑える要因となります。

それ以外のエリアは、主に居住用としては戸建で探す人が多くなります。

つまり実態需要があまりマンション志向ではないということですので、相当慎重に探す必要があります。需給のミスマッチが起きているということは、売る時に売りにくくなるリスクがあると思ってください。

投資マネーというのは、たとえるとフワフワしたお金です。雲をつかむように実体に乏しく、モノとお金のひも付きが弱いイメージが湧くでしょうか?潮目が変わると、サッと引いていく潮の満ち引きのようなものと捉えてくださいね。

いまのマンションの価格水準は、エリアや物件によっては90年代バブルの頃をも凌駕するほど、高値で取引されていることを今一度、胸に止めて購入するかどうかの判断をしていただきたいと思います。

1-2.権利に注意!区分所有法の罠

マンション特有の権利についても知っておいていただきたいことがあります。

それは、あらゆる商品の中で所有権が発生しないということです。どういうことかというと、自由に利用できたり、売ったりできないのです。

1-2-1.モノを買うと自然と生じる所有権が無い

通常、どのようなモノを買っても、所有権が発生しますよね。車を買えば、それはあなたのものですので、いつでも乗れるし、売りたくなったら売れるのです。でも、マンションはここまで自由にできません。

それはマンションを購入した場合は所有権ではなく、マンション独自の法律である区分所有法に基づいた「区分所有権」が生じるからです。この言葉から、なんとなく所有権の仲間程度の感覚は持ったのではないでしょうか。

1-2-2.共同所有という考え方 所有とは似て非なり!の不自由さ

さて、この区分所有権ですが、言葉でわけると「区分」された「所有権」ということになります。これだとわかりにくいので、完全な所有権である一戸建てと比べながら説明していきます。

不動産の所有権は大きく「土地」と「建物」に分かれます。

これが所有権の一戸建てであれば、両方とも所有していることになります。どちらも自由に手を入れたり、売ったり貸したりできます。普通にモノを所有するのと一緒です。

一方、区分所有のマンションだと、どうでしょうか?土地も建物も区分所有者全員で共同所有しているので、誰か一人の自由で手を入れたり、売ったり貸したりできないんですよね。

1-2-3.区分所有で自由にできるのは「空間」だけ

つまりマンションの売買とは、この「区分所有権」を売ったり買ったりしていることになります。でも、建物も土地もみんなの共有財産ですから、じゃあ何を売買しているんだろう?という疑問が湧いてきませんか?

その答えは「空間」です。具体的には、玄関ドアの内側~隣戸との壁の内側~各窓の内側に囲まれた空間です。

つまり、個人所有しているモノは一切、無いんですね。マンションの売買=空間の売買って言葉にすると不思議ですね。

1-2-4.利害関係がもろにぶつかり合う「ご近所付き合い」

よくマンション購入希望の方で、「近所付き合いが煩わしいから、あいさつ程度で住むマンションがいい」という人がいますが、これは大きな誤解です。だって、ご近所さんと不動産という財産を持ち合っているんです。

買っておしまいでなく、建物を健全な状態で維持したり、清掃等の日々の管理でいつもきれいにしておくために、みんなで話し合ったりしないといけません。

数十年経ったり、災害に見舞われて壊れれば建て替えをどうするかという問題も生じてきます。

若い人から、お年寄りまでさまざまな思惑が交錯する話し合いは、なかなか結論が出ません。

日本にマンションが登場してからの歴史はまだ浅く、現時点では建て替え問題に直面したケースは少ないですが、これから急激に顕在化してくるでしょう。

1-2-5.資産性が高い築浅の物件を住み替えていくという選択もある

マンションを選択する際に、こうした煩わしさとリスクを回避するには、10年以内の築浅の中古マンションを購入して、ライフスタイルの応じて住み替えをしてくのも手です。

たとえば、独身の時は築5年のワンルームを買って、5年くらい過ごして築10年くらいになるころに結婚。そのタイミングで売却して得た現金を頭金にして築5年くらいの2LDKのマンションを購入します。

そして、子どもが生まれて手狭になるころ、ちょうど5年くらいが経つ頃にまた売却して、今度は築5年くらいの3LDKのマンションを購入します。

・・・というイメージで買い替えていくと、10年を過ぎるとそろそろ大規模修繕や管理費滞納住民などの面倒な話題が出始める頃ですし、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、広さや間取りを柔軟に変えて住めるメリットもあります。

ただ、住み替えのたびに売却損(買ったときよりも売る時の方が値下がりしている場合)が出たり諸費用や引越代がかかるので一歩間違うと引越し貧乏になりかねません。

これを回避するためにも、資産性の高い物件を売買し続けていく必要があります。不動産仕入れの目利きがたいせつです。

1-3.管理に注意!資産価値を決める要因

先ほども少し話題で出ましたが、みんなの共有財産を適正に維持していくために、管理の善し悪しがたいへん重要になります。

ほとんどは自主管理ではなく、管理会社に委託していますが、業者にすべてお任せだと足元を見られます。

やはり「自分たちのマンションの資産価値を上げるのも下げるのも、自分たち次第」という、区分所有者の民度によって、結構マンションごとに管理状態に違いが表れるものです。ひいてはそれが資産価値にも大きく影響します。

1-3-1.管理状態を知る「重要事項に係わる調査報告書」

中古マンションを検討する際にぜひ目を通していただきたいのが、建物管理会社が発行する『重要事項に係わる調査報告書』という書類です。書類発行手数料が5,000円前後かかります。これは新築には無く、中古市場独自の書類です。

この書類は、売主から売却依頼を受けた不動産業者が売買契約締結の際の必要となる「重要事項説明書」を作成する為、建物管理会社から取り寄せています。

専有部分の用途制限や共用部分に関する事など、住戸の管理やマンション全体の管理に係わる内容が記載されており、代表的な記載項目としては・・・

・修繕積立金総額

・管理費、修繕積立金の月額

・管理費、修繕積立金の滞納額

・管理費、修繕積立金の改定予定

・修繕工事履歴

・大規模修繕改修工事予定

上記以外にも記載事項はありますが、購入するか否かの検討の際には、現地確認と併せて書類により上記内容を特に気を付けて確認すると良いでしょう。

・将来行われる修繕工事に向けた資金がちゃん積み上がっているか?

・管理費の滞納や組合借入金などで買主に負担が生じないか?

・今後の大規模修繕工事予定の有無

・工事履歴において躯体に問題が無いか

良好な管理が行われているのかを判断する為、必ず確認しましょう。

2.赤裸々告白!マンション購入失敗談

マンション購入を考えていて気になるのは、「実際に住んでみてどうか」ではないでしょうか。さまざまな事例をもとに、マンションが抱えている諸問題について考えてみたいと思います。

2-1.実は大きなストレスになる「音」問題

壁も床も隣戸と共有しているので、常につきまとうのがこの音問題です。特に生活音のうち一番は足音―特に子どもです。

2-1-1.有名大手ディベロッパーの二重天井、二重床でも問題発生!

新しいマンションでは壁も床も以前に比べて厚くなっていて、テレビや話し声などの空間を伝わってくる音は概ね、シャットアウトできてきています。ですので、壁を隔たて水平方向の隣戸の音が気になることは少ないようです。

どれだけコンクリートを厚くしたり、二重にしても避けがたいのが足音です。それは空気中を伝わってくるのではなく、建物の躯体自体が音を発するからで、発生源それ自体を工夫しても床=天井でコンクリートを共有している以上は、完全にゼロにはできません。

2-1-2.生活音を取り巻く法律の壁

では、法的に解決できるのか、というとそれも難しいです。というのも、生活音問題の根底には「お互いさま」という風潮が根強いため、ある程度の音は我慢し合いましょう。となってしまいます。

もちろん、意図的に発せられた大きな音は、音の大小を計測する機械で記録に残しておけば主張できますが、日常の足音程度ではそこまでの音として記録できない程度しか出ていないのです。

暮らし方にもよりますが、子どもがいる家庭が上で子どもがいない夫婦が下だと、より気になるようです。「お互いさま」と言えるような、音を発生させる原因が無いことが、下の夫婦をよりイライラさせるのでしょう。

2-1-3.あいさつで良好なご近所づきあいが音問題解決のコツ

人の感覚というのは面白く、同じ大きさの音でもうるさく感じたり、まったく気にならなかったりします。それは耳という感覚器官から入る音は同じでも、それを解析したり、判断して感じているのは脳だからです。

一般的に、人は好きなものから発せられているものは、音であれ臭いであれそれほど不快には感じません。一方で嫌いの感情が一度でも生じると、つきまとってなかなか取れず、しかもたいへん不快な音として認識されます。

また、知っているものから発せられていればそれほど気にならなくても、知らないと不安になり、余計に気になりだすのも人間の脳です。ですので、この人間の脳の判断基準を逆手にとることをおすすめしています。

引っ越したらまずは、コンクリートを共有する上下左右の隣人には特にしっかり挨拶をして、顔見知りになって良好な関係を築ければ、ある程度の音は気にならなくできると思います。まずはここから快適生活を創りましょう。

2-1-4.実はよくある音が原因の引越し

ただ、そうは言っても、さまざまな人が混在しているのがこの人間社会です。同じ感覚を共有したり、常識を理解し合いえる人もいれば、まったく異文化の外国人までさまざまな人が住んでいます。

生活サイクルも人それぞれですので、夕方には静かに過ごしたいお年寄りもいれば、共働きの子育て世代だと遅い子は夜の10時まで騒いだり、駆け回っていることもあるのです。

管理組合や管理会社に仲立ちしてもらって、静かにするように伝えたり、話し合いの場を持つことは可能ですが、あくまでお願いですから、それで音の発生をやめさせる強制力はありませんし、努力していると言われたらそれまでです。

とにかく、音の発生源は共有しているコンクリート構造物ですから、抜本的な解決にはやはりマンションから一戸建てに引越すしかないのです。一戸建てでは建物は完全に独立しているので、音問題が生じることは格段に少ないです。

この点、音に敏感な方は特に気を付けてください。いくら二重天井や二重床、コンクリートを厚くするなどの対策をとっても、限界があることは十分に覚えておいていただきたいことです。「こんなはずじゃ」にならないために。。。

2-2.どうしても取れない「におい」問題

中古マンションにつきまとうのがこの「におい」の問題です。壁紙を張り替えたりといったリフォームをすることで、ある程度は消すことができますが、まったく手を付けられないのが「配管部」です。

たとえユニットバスや洗面台、システムキッチンまで見える場所を全部新品に交換する抜本的なリフォーム(リノベーションとも言います)しても、コンクリート躯体にもぐっている配管には手が付けられない実情があります。

どことなく上がってくる臭気というのは、主にこの配管からが多いので、「におい」に敏感な方、特に女性は中古マンションを購入する際は気を付けていただきたいです。

「においなら見学の時にわかるのでは?」と思われたかもしれませんが、たかだか数時間程度では完全に見抜けず、入居後にどこからともなく上がってくる「におい」で悩んでいる方は結構いることも知っておくと良いと思います。

なお、詳しくは『徹底比較!新築VS中古』でも「におい」に関して記述していますので、興味がある方はこちらも目を通してみてください。

2-3.売るに売れない貸すに貸せない資産問題

これはマンションにまつわるたいせつなお話で、お金にも関わってくる問題です。資産性の有無が後の人生に大きな影を落とすことがあります。

2-3-1.駅から遠いマンションの悪夢

駅から遠いマンションを売却しようとした方がいましたが、これがなかなか売れませんでした。そもそもが、マンションというのは利便性が魅力だからです。一戸建てよりも狭くても駅に近いマンションを選ぶ理由です。

要は、マンションを選択する人は、収納や広さを犠牲にしてでも、利便性を取りたいんですね。これがマンション市場の「需要」です。では市場に物件を供給する売る側は、買う時=仕入れの段階でここをしっかり押さえておく必要があります。

2-3-2.売れない物件の特徴

・駅から遠い

・管理費等が高い(3万円超)

・無駄に広い(90㎡以上)

・1階(庭付)

・オートロックが無い

「敵を知り 己を知れば 百戦危うからず」とにかく、マンションはライバルの一戸建てと比べて、どこが魅力なのかを整理して買うことが大切です。

3.安心して買えるのはいくらまで?

予算いくらで探したらよいかは、みなさんが悩む重要なテーマですね。決める上でたいせつなことを一つ一つ、お話していきたいと思います。

3-1.年収のどれくらいまで買えるか?

よく聞かれる質問の代表です。関連して「家の予算はいくらが適正ですか?」と聞かれます。予算について答えるはずが、いきなり肩透かしをさせてしまいますが、「正解は無い」というのが私の答えです。

巷でまことしやかに言われている「住居費は家計支出の25%以下」という話ですが、これはあまり根拠がありません。というのも、住居費というのは賃貸と持家でその性質を大きく変えるからです。

3-1-1.購入すると住居費の性質が大幅に変わる

賃貸はそもそも、家賃を大家さんに支払うことで、自分の資産を大家さんへ移転していることになります。難しく書きましたが、賃貸で支払う住居費の内訳は100%「消費」に回る支出です。

一方、購入後の住居費はどうでしょうか。住宅ローンの返済の内訳で、金利分は銀行に支払うお金で消費ですが、あとは借入金額の返済に充当されます。

不動産という資産に「貯蓄」されているイメージが湧きますでしょうか。

購入した物件の資産性によって、月々の住居費のうちどのくらいの割合で不動産資産として貯蓄されているかが違うので、ここで「いくら」と断定できませんが、購入した途端、住居費の一部は必ず貯蓄効果をもたらします。ここを無視して「住居費は支出の25%」と言っても、絵空事になってしまうのです。

3-1-2.家計支出のうち、車はいちばんの金食い虫

あとは、家を買った後のライフスタイルによって、大幅に支出の内訳が変わります。家を買う前にぜひとも話し合っていただきたいのが「車は必須かどうか」ということです。

というのも200万円程度の普通車を購入し、5年後とに買い替えた場合の車に係る費用は、月々およそ6万円という試算が出ています。マンションの場合は場所によりますがこれに1~3万円の駐車場代がかかってきます。

駅近でスーパーやコンビニなどの商業施設も充実していれば、日常の買い物は徒歩で済みます。月に何度か遠出したい時はレンタカーを借りたり、近年ではカーシェアという10分単位で借りられる便利なサービスもあります。

月々6~8万円を出費し続けるのと0とでは、家計収支に大きな違いが生じます。たとえば金利1%で35年の住宅ローンの場合、借入額が100万円増えると月々3,000円支払いが増える計算です。

これだと借入額300万円で月々約1万円の返済になります。車を保有すると月々6~8万円の出費ですので、借入額に換算すると1,800~2,400万円もの違いが出てきます。

しかも車は消費するもので、長期的視野で考えると資産価値は0です。一方で資産性の高い物件を購入すれば、将来の不動産資産としてストックできるのです。

よく予算をいくらにするかで、数百万円の違いを熱く議論し合っているご夫婦を見かけますが、月々数千円の違いですから、車を持つ持たないの違いからしたら微々たるものです。

ですので予算を決める際は、まずはライフスタイルとして車を持つ持たないを今一度、よく話し合ってみていただきたいと思います。

3-1-3.住宅購入は大きな生命保険に入るのと同じ効果がある!?

マンション購入の際にもう一つ、家計支出で話し合っていただきたい項目があります。それは「保険」です。家を探している人の大半が何らかの保険に加入しています。

なかには月々2万円、多いと4万円という高額な保険代を支払っている人も見受けられます。住宅ローンには必ず、借入額と同額の生命保険に加入する必要があり、死亡や高度障害といった万が一の時にはローンがちゃらになるのです。

最近は疾病保証付きのタイプの商品も出てきましたので、がんや生活習慣病と診断された時点で、一定要件を満たすと返済が免除されるようになってきています。

ですので、毎月の保険料が減らせれば、その分予算を上げるという選択肢も考えられえるのです。この点もじっくり、夫婦で話し合われると良いのではないでしょうか。

3-2.35年で1,800万円の恐怖!?

金利1%で35年の返済で想定した場合、月々10万円の返済になる借入額は約3,600万円です。一戸建てはこれでよいですが、マンションの場合は管理費、修繕積立金、そして郊外ですので車社会と想定すると駐車場代がかかってくることになります。

10万円の住居費から首都圏の上記費用の平均値5万円を差し引いた、月5万円の返済になる借入額の約1,800万円がマンションの購入予算となります。

一戸建ての場合、建物価格は平均で1,200万円程度ですので、3,600万円の物件価格のうち約2,400万円が土地代です。

この時点で資産性に大きな違いが出ているのがお分かりになりますでしょうか。さらに、駅徒歩5分ですと車は持つ持たないが選べるので、仮に車を持たない生活を想定すると、月々約6万円ほどが浮きます。

これは約200万円程度の新車を5年で更新していくときにかかる車両費、維持費、税金、ガソリン、保険代から算出した数字です。

月6万円というと、金利1%、35年返済ではちょうど2,000万円を借入れた場合の月々の返済額とほぼ同じです。つまり一戸建てで車無し生活の場合はその分、約2,000万円借入を増やして、予算を5,600万円程度まで上げて探してみることも可能になります(借入額がそこまで伸びるかはおいておきます)。

マンションと一戸建ての資産性の違いにも触れておかなければなりません。一戸建ては建物部分が20~30年かけて減価償却されて、価値は0に収束します。分譲住宅を購入した場合、建物価格は約1,200万円ですので、5,600万円の物件の場合、4,400万円が土地代になります。

なお、予算について補足説明が必要であれば、「住宅ローンの頭金はゼロ?貯めた方がオトク?頭金の誤解と真実」「安心!住宅ローンの審査に通るポイント」「後悔しないマイホーム購入「マンションVS一戸建て」選び方」の記事も参考にしてみていただければと思います。

4.業者の甘い罠 マンションで資産運用の3つのリスク

マンション購入を考えておられる方の中には、自宅用ではなく投資用でご検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

バブルの時は転売での投資(キャピタルゲイン)目的が多かったですが、近年は賃貸収入(インカムゲイン)を目的とした方が大半です。

私は現時点の首都圏エリアでのマンション投資に興味はありませんし、まったくお勧めできません。それは、先の価格高騰によるものですが、それを踏まえてよくあるマンション投資話にまつわる3つの注意点をお伝えしていきます。

4-1.利回り

投資額を10年で回収できれば理想ですが、気を付けたいのは実質利回りと表面利回りの違いです。

いくら利回り○%と出ていても、そこから管理費などの諸費用と税金を差し引いたらそれほどでも無くなることが多いです。

4-2.資産価値

次に資産価値についても触れておきます。特に自分年金づくりと称して新築マンション投資のセールスの電話をしてくる業者には要注意!です。新築は誰かの所有になった途端に、価格が2~3割下落するのが一般的です。

これではいきなり資産価値の下がる不動産に手を出したことになります。このような不動産投資をするくらいであれば、自分年金づくりは他の金融商品か貯蓄に励んだほうがましです。

また、旧耐震のマンションも売却の時には苦労しそうですし、駅からバス便や不人気エリアなど、もともとの資産性の低い物件にも手を出さないようにしましょう。

4-3.耐用年数

基本的にマンションなどの耐用年数は50~100年です。購入した時は若くとも、歳を重ねるごとに老いてさまざまな不具合が出てくるのは、マンションも人間も一緒ではないでしょうか。

そしてやがて死=取り壊しにも直面するときが来るでしょう。先ほども言いましたが、マンションは土地や建物といったモノではなくて、居住空間に値段が付くものです。建物が死を迎えた後の資産価値についても、よく考えておいたほうが良いでしょう。

5.豊かな老後に備える!おひとりさまのマンション購入

独身の方のマンション購入が多くなってきています。生涯未婚率も急激に上昇してきている社会情勢から鑑みても「おひとりさまの老後」について、早いうちにいろいろ想像しておくと良いのではないでしょうか。

5-1.給料なき後の家賃は地獄

賃貸であれば、一人でも家賃が5~7万円くらいはかかっていると思いますが、働いている間はなんとか気にせずに住み続けられると思います。でも、退職後に年金収入だけになったら、今の家賃支出に耐えられるでしょうか。

ただでさえ、数人で住むよりもおひとりさまのほうが、住居費や食費をはじめとした生活コストは割高になるものです。たとえ一人から二人になっても、家賃や食費が2倍まではいかないことは、たやすくイメージが湧くでしょう。

高コストな支出を支えていた給与収入が途絶えた途端、いきなり高負担の家賃がのしかかってきて、ホームレスになってしまうような、極端な事例も実際にあるほどです。

5-2.生きる上で必須の住居というものを借りるか、買うか

住まいは生きていれば必ず必要になる空間です。これを借り続けるか、買うかはそれぞれの考え方で決めれば良いでしょう。借り続ける選択をした方は、収入が途絶えたときに死ぬまで家賃を払い続けられるかをシュミレーションしておいたほうが良いと思います。

また、誰も世話をしてくれる人がいないのですから、体が動かなくなってきたら老人福祉施設に入居する選択も出てくる時が来るかもしれません。その時に、自宅を売却して入居資金を作れるか否かも重要です。

5-3.一度の人生、生きる歓びを享受し続けられるようにしよう!

「長生きリスク」という言葉があります。これは長く生きる分だけ生活コスト負担がどんどん大きくなっていくということです。おひとりさまほど、このリスクが大きいことを若いうちからしっかり心に刻んで考えておく必要があるのではないでしょうか。

人類の本質は人と人とが助け合って生きて死んできた、その連綿とした繰り返しの中に存在するものです。数百万年という、長い人類の歴史から見ると、一人だけで人生をまっとうするという生き方は、まだまだ全然日が浅いのです。

先人たちが経験をしたことの無い、手探りの航海に一人で旅をしていくには、年金を含めた社会制度や、世間の目などさまざまな壁が立ちはだかることでしょう。それに向かっていく「覚悟」を持つことも大事だと思うのです。

そんな時、不動産という資産は、おひとりさまの老後の頼もしい存在になるのかもしれませんし、あまり期待したほどでもないのかもしれませんが、どちらになるかは若いうちの判断によって決まってくるのだと思います。

 まとめ マンションの特徴を見極めて最適な判断を!

マンションの特性を以下のようにまとめました。

・投資マネーの影響でバブル期以上の高値水準(エリアと物件による)

・不完全な所有をすること(区分所有法)

・室内空間を売買している(建物も土地も自由に売買できない)

・住民同士は財産を共有する運命共同体。「近所づきあいが楽」は幻想

・管理費等の月々の支払いに注意して予算を決める

・管理費等の「プチ家賃」はローンを払い終わった老後も一生続く

・数十年後の資産価値がどうなるかが一戸建てよりもわかりにくい

・・・いかがでしょうか。上記7つのポイントをしっかり押さえたうえで、最適な判断をしていただき、あなたの人生がより豊かに、安心して暮らせるパートナーになる住まいとのご縁がありますように願っています。

中古はおトク?「新築VS中古」結局どっちの物件がいいの?

マンションにしろ、一戸建てにしろ、ずうっと議論されてきたのは、「新築VS中古 結局どちらがいいの?」ということではないでしょうか。ずっと持ち越されてきたこの戦いにも、ぼちぼち終止符が打たれようとしています。

情報は「どのような内容が書かれているか」より以上に、「誰がその情報を発しているか」がはるかに重要です。どのような思惑で書かれているのか、そこを知ることです。

「なんだ、中古(新築)をおすすめしているのは、売れると情報発信者が儲かる図式だからじゃないか」という非常にシンプルな結論に行きつくことは多々あります。

ネットの情報は信ぴょう性のあるものから無いものまで、本当にさまざまな情報が氾濫しています。そんな中で、あなたにとって正しくて必要な情報を取捨選択するうえで、この記事がお役に立てばとても嬉しいです。

-目 次-

1.一戸建て購入 新築VS中古 思い込みを排除して最適な判断をしよう!

1-1.新築は高い!?中古は本当に割安なのか?

1-1-1.割高な新築一戸建てを見極める方法

1-1-2.中古はなぜ安いのか?

1-2.築年数が古いほど見えないリスクがある

1−2−1.生活感は払拭できない

1−2−2.本体構造の老朽化

1−2−3.排水管の老朽化とにおい

1-3.建物補償を比べてみよう!

1-3-1.新築10年保証の重み

1-3-2.中古は売主が個人か法人かで保証期間が異なる

1-4.中古を買うならここを抑えよう!

1-4-1.耐震性のチェック~阪神大震災の時に倒壊したのは?~

1-4-2.耐久性のチェック~ホームインスペクション~

1-4-3.まとめ~中古の一戸建てを買うなら2000年以降がおすすめ~

2.マンション購入 新築VS中古

2-1.新築は割高で中古が割安のホントのところ

2-2.中古マンションを買うなら1983年以降

3.新築と中古 住宅ローンの違い

4.まとめ.新築と中古 結局どちらが良くて、どちらがお買い得なのか?

1.一戸建て購入 新築VS中古 思い込みを排除して最適な判断をしよう!

「新築がいいか、中古がいいか」は一戸建てを探している人にとって、一度は必ずテーマになることでしょう。これは「新築は割高で中古は安い」というイメージがもたらしているものと思われます。まずはそこから解明していきましょう。

1-1.新築は高い!?中古は本当に割安なのか?

誤解を恐れずに言えば、「お買い得なものは存在しない」ということです。

なぜかというと、相場よりも大幅に安いものが出れば、まずは不動産のプロが買い取ってしまって一般の市場には出てこないからです。

1-1-1.割高な新築一戸建てを見極める方法

たしかに、新築が高い事例はあります。それはディベロッパー直販の一戸建てです。「○○不動産の××シリーズ」といったブランド名が付いて売られているもので、多棟現場(複数の一戸建てが同時に販売されるもの)が多いです。

こういった新築一戸建ては、新築マンションと同じように「新築プレミアム」がついていて割高になります。

割高というのは、新築で買ってすぐに売ったときに、大幅な売却損が出るくらい値下げしないと売れない場合を言います。

どうしてこういうことが起きるかというと、新築マンション同様に広告や営業マンを使うために多額の販売コストをかけているからです。

こういった物件は、売主直売のため仲介手数料がかからないことを謳っていることが多いです。

ですが、そこにはしっかりとからくりがあって、それ以上に割高になっていることがほとんどですので、表面上の数字に惑わされないようにしたいものです。

1-1-2.中古はなぜ安いのか?

中古のメリットといえば、価格が安いことでしょう。

しかし、中古が安い理由は、建物は減価償却といって、古くなるにしたがって年々価値を下げていくためです。ほぼ一定の割合で下がっていき、20~30年で価値はゼロになります。

つまり、築20年以上の一戸建てはほぼ土地だけの値段になっているので、新築よりも安くなるのは当然です。これを割安といってお買い得と考えるのは勝手ですが、いささか早計のような気もします。

「ただほど高いものはない」という言葉を聴いたことがあるかと思います。なぜ0円かといえば、市場はその建物を家として認めていないからですよね?価値があるものは相応の値段が付くと考えるのが、普通ではないでしょうか。

1-2.築年数が古いほど見えないリスクがある

さて、次は物件の中でもとりわけ、一見して見えにくいところや、気が付きにくいところについて、チェックするポイントをお話していきたいと思います。

こういうところほど、購入後に「こんなはずじゃ!」と悔しい思いをすることが多いので、注意してみていきましょう。

土地として売っている古屋付き土地に住むのは自由ですが、それには相応のリスクがあることを覚悟しておく必要があります。

1−2−1.生活感は払拭できない

男性がよく「割安な中古を買ってリフォームして住めばお得」と考える傾向がありますが、女性目線を見失っている可能性があるのです。

私のクライアントでもよくあるのが、ご主人の主導で、中古の一戸建てをいくつか見たけど、土足で入っても問題ないくらい古くて、奥様はちっとも家探しがワクワクしなかったという話です。

さんざん、他人が住み尽くしてきたその空間には、においをはじめとしたさまざまなものがこびりついているものです。女性は特に、そういった目に見えない感覚に敏感ですので、拒否反応を起こしているのです。

安いからという理由だけで、数値化できない感覚的な部分を否定すると、思わぬしっぺ返しがあります。住む場所というのは、特に女性にとっては自分の体のように感じるものですので、違和感があれば避けたほうが良いでしょう。

1−2−2.本体構造の老朽化

リフォームしてあっても壁紙の向こう側は見えないですし、外壁もタイル張りの下のコンクリート躯体にどのようなクラック(ひび割れ)があるかまでは、目視ではプロでもわかりにくいほどです。

人も年齢を重ねるほどに老いの個人差は大きくなりませんか?見た目も大事ですが、内臓の健康度はそれまでをどのように過ごしてきたかで相当、違ってきますよね。たばこを吸い続けた肺は、吸わない人よりも機能低下が著しかったりします。

建物も築年数が古いほど、物件による差が開いていきます。同じ築年数でも、表面は塗り替えたり壁紙を替えたりして綺麗にしても、中がぼろぼろと崩れているようでは住むうえで心配です。

マンションでしたら、重要事項の調査報告書などで修繕履歴や計画の有無を見て、ある程度は把握できますが建物の健康状態が完全に把握できるわけではありません。一般的には、人間と同じで古いほど健康診断に引っかかるリスクは増えます。

1−2−3.排水管の老朽化と「におい」

目に見えにくいですが、他の感覚器官で感じる古さとしては、一番は「におい」の問題です。特に女性は鼻の感覚が鋭いので、キッチンやお風呂、洗面所など水回りの臭気を気にされることはとても多いです。

玄関や居室の生活臭はある程度、対策はできるのですが、こと排水管からの臭気は根本的には敷地内の配管をすべて交換しない限りは、完全には取り除くことはできないようです。

一応臭気トラップという、排水管から臭気が上がるのを防ぐ仕組みはついているのですが、なぜか不快感を感じることは実際、あるのです。私も不思議に思うのですが、男の私は感じなくても、女性が感じていることは多いですね。

1-3.建物補償を比べてみよう!

もう一つ、新築と中古を比較するときに重要なことがあります。それは建物性能保証制度の有無です。

1-3-1.新築10年保証の重み

新築には10年間の保証が付きます。これは法的に義務付けられているので、新築であれば例外なく該当します。

建物の主要構造体に不具合があったり、一定以上の建物の傾きや不同沈下、雨漏り等の瑕疵が見つかった場合、10年間は保証の対象となりますので、無償で直してくれるのです。傾きの場合は、ジャッキアップをするなどしてまで、抜本的な対策を講じるほどです!

1-3-2.中古は売主が個人か法人かで保証期間が異なる

では中古の場合の保証はどのように義務付けられているのでしょうか。それは売り手が個人か法人かで異なります。

まず、個人の場合は「現状渡し」が条件と思ってください。

個人間売買の場合、引き渡し後3か月間に出た不具合において、程度によって対応する場合もありますが、あまり期待しないでおいたほうがよいでしょう。

売り手が法人の場合は、2年間の保証が付きます。この期間に雨漏り等が生じた場合は保証の対象として修理を依頼することができますので、この点は少し、安心感がありますね。

私はこの保証の安心感も踏まえて、ぜひ新築と中古を見比べていただきたいと思います。

1-4.中古を買うならここを押さえよう!

ここまで書いてきて、新築と比べると中古はさまざまな見えないリスクを孕んでいることがお分かりいただけたと思います。また、そのリスクに対する保証も脆弱ですので、購入時は新築とは比較にならないくらい、相応の注意が必要です。

しかし、それらを考慮した上で、「やっぱり中古物件が欲しい」「中古物件を購入してリフォームしたい」という方もいらっしゃるでしょう。

この章では、中古を購入する際、どうすれば予期せぬリスクを最小限に抑えられるかについて、お伝えしていきたいと思います。

1-4-1.耐震性のチェック~阪神大震災の時に倒壊したのは?~

1997年の阪神大震災では、一戸建てにおいて倒壊した建物とそうでない建物に圧倒的な違いがあった場所があります。それはどこかというと、建物の基礎に当たるところです。

具体的には、基礎は鉄筋を入れたコンクリートで作るのですが、倒壊した建物の多くは柱の下だけにしか基礎がありませんでした。(布基礎)

一方、倒壊を免れた建物では、建物の下は全面的に鉄筋コンクリートで覆っているものが多かったのです。(ベタ基礎)

日本の住宅というのは、戦後さまざまな震災をはじめとした自然災害を経て進化してきました。ですので、新しいものほど耐震性が高いのです。

今の法律に適合するためには、相当の耐震工事が必要になります。

法律に適合する耐震性を求めて工事した結果、ほとんど新築と変わらないくらいにリフォーム代がかかってしまった、というのもよくあるケースです。

中古の一戸建てを選ぶのであれば、2000年の法改正後に建てられたものを選ぶことをおすすめしています。

ミレニアムイヤーの2000年というのは、建築業界に激震が走った年でもあります。先ほど話題で出た阪神大震災で倒壊率がかなり低かった堅牢な基礎構造に限定し、それまで無法状態だった検査体制を整備したからです。

さらに近年では、任意だった地盤調査やその結果に基づいた地盤改良も義務付けられて、ますます安心できる構造になってきています。

1-4-2.耐久性のチェック~ホームインスペクション~

また、耐久性が気になる方には、ホームインスペクション(住宅診断)をおすすめしたいと思います。

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務です。

住宅の購入前や、自宅の売り出し前にホームインスペクションを行うことで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。居住中の自宅について調べることもあります。

また、不動産仲介業者が物件の状況を消費者に明らかにするために利用するケースも増えています。

診断の方法は、目視で、屋根、外壁、室内、小屋裏、床下などの劣化状態を診断するのが基本です。機材を使用する詳細診断もあります。

ホームインスペクターは住宅の「かかりつけのお医者さん」といえるでしょう。

米国では、州によって異なりますが、取引全体の70~90%の割合でホームインスペクションが行われ、すでに常識となっています。日本でも近年、急速に普及しはじめています。

ホームインスペキュションの代表格としては株式会社さくら事務所があり、おすすめです。

1-4-3.まとめ~中古の一戸建てを買うなら2000年以降がおすすめ~

マンションにしろ、一戸建てにしろ、法改正のタイミングが築年を判断する材料になります。マンションと一戸建てでそのタイミングは異なり、一戸建てでは2000年以降がおすすめです。

マイホームは一生の買い物とも言われます。せっかく手に入れたマイホームの性能に著しく問題があったり、生活に支障を来す重大な欠陥があったりしては大変です。

そうした住宅に関するトラブルを未然に防ぎ、そして万が一のトラブルの際も紛争を速やかに処理できるよう平成11年の通常国会において制定されたのが「住宅の品質確保の促進等に関する法律」です。

とっても簡単にお話しますと、2000年以降の新築住宅には以下2つの項目が義務付けられました。

・10年間の保証が付いている

・建つまでの間に第三者の検査が入る

かなりざっくりと端折ったので、詳しく知りたい方は『日本の住宅の質を大きく変えた住宅業界の2000年問題に迫る!』を参考にしてくださいね。

2.マンション購入 新築VS中古

話は一戸建てから変わって、マンションへと移ります。マンションも新築と中古のメリット・デメリットは以前からずっと続いている、マンション購入検討者の一大テーマではないでしょうか。

今回は過去からの議論の題目について、それは本当かどうか、さまざまな議題をもとに検証していきたいと思います。

2-1.新築は割高で中古が割安のホントのところ

新築マンションは確かに、割高と言い切ってしまってよいと思います。事実、購入して1日後に売却したとすると、2~3割程度は価格を下げないと中古相場並みにはならないことが多い傾向があります。

これは新築マンションがネットや雑誌、広告などで大規模に広告・宣伝していることや、モデルルームの建設・維持管理費と営業マンを配置するために、その人件費が上乗せされているからです。

日本のような先進国では、材料費よりも人件費の割合がどうしても高くなってしまいますから、人手をかけている場合には、それは商品価格にすべて上乗せされていると言っても良いでしょう。

これを踏まえて、改めて新築マンションが割高かどうかをお話しすると、「かけた人件費分、自分が買った商品の価値を上げたかどうか」が適正価格なのか、割高なのかの判断基準になるのではないでしょうか。

その点からすると、新築マンションで人件費を投入して売るのはいわゆる販売活動です。これは特段、物件そのものの価値を上げることに貢献しているわけではありません。

また、広告宣伝費も価値向上に貢献していないことは言うまでも無いでしょう。ですので、新築マンションというのは、企業の広告宣伝および販売活動費用を購入者側が負担しているとも言えるので、割高感は否めないのです。

一方で築年数を経た中古マンションは、確かに安いですが果たして築浅のマンションよりも割安と言えるのでしょうか。同じ立地とスペックで比較して割安な分だけ、何か事情があると思ったほうが適切な判断ができそうです。

これまでも話題に出たように、人間と同じで建物も古くなるほど、見えないところにガタがきているものです。築年数が古いほど、こういう見えないリスクを踏まえた価格設定になっているということです。

不動産に割高物件はあっても、割安物件やお買い得と言われる物件は実は存在しません。

なぜならば、割高物件はプロが手を付けないので一般市場に出回りますが、割安物件が仮に出たとしたら、まずはプロが抑えて一般市場には流通しないからです。

他の金融商品や貴金属と同様に、不動産においても、高額商品ほどプロと一般消費者の情報格差は著しく広がっています。もしもあなたが、割安物件を探しているとしたらそれは時間の無駄という自覚をしたほうがいいかもしれません。

なお、マンションの購入に関して、『マイホームも資産運用も!100%満足を実現する、マンション購入の注意3か条』という記事でも詳しく説明をしています。ぜひご参照ください。

2-2.中古マンションを買うなら1983年以降

建築基準法施行令の改正によって新しい耐震基準(いわゆる新耐震基準)が施行されたのは、1981年(昭和56年)6月1日のことで、この日以降に建築確認を受けた建物に対して新耐震基準が適用されています。

新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がおかれました。旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』と変わりました。

ここで、注意すべき点は、1981年6月1日以降に建てられたマンションであれば、すべて対象となると読んではいけないという点です。

というのも、建設工事に着工するのは建築確認を受けた後です。

つまり竣工(完成)時期で考えると、木造一戸建て住宅は早くても1981年9月~10月以降、マンションであれば早くとも年明けの1982年1月~2月以上に完成したものが、新耐震基準に該当することになるでしょう。

しかし、建物によっては1982年前半頃の竣工でも、旧耐震基準で建てられている場合が考えられます。

マンションの場合はその規模にもよりますが、それほど大きくない建物でも通常は1年~1年半程度の工事期間が必要です。

したがって、1981年6月に建築確認を受けたとしても、その竣工時期は早くて1982年夏~秋頃となります。1983年以降に竣工したマンションの場合には、新耐震基準による建物である可能性が高いものの、1982年中の竣工では何ともいえないところでしょう。

ただし、1981年5月以前に着工したものの工事が遅延したような場合、あるいは大規模なものなどを想定して考えれば、1983年に竣工した旧耐震基準のマンションもいくつかあるでしょうし、1984年に竣工した旧耐震基準のマンションもないとは断言できません。

3.新築と中古 住宅ローンの違い

建物自体の違いとともに、住宅ローンにおいても、新築物件か、中古物件かで異なる点があります。

中古住宅の築年数は住宅ローンの借入可能な期間には、大きな影響を及ぼします。

一般的に住宅ローンは新築であれば最長で35年の借入が可能ですが、中古住宅の場合は金融機関によって違います。

たとえば、築10年の物件を購入した場合、おおむね「50年-10年(築年数)」あるいは「30年-10年(築年数)」とされ、35年よりも短い借入期間となる場合が多いです。これは、毎月の返済額は高めになりますので、注意が必要です。

またフラット35では、「建築確認日が昭和56年6月1日以降」と定められており、いわゆる新耐震基準に適合する住宅でなければ、借入ができません。

よって、中古住宅を購入する際には、不動産会社の担当者か金融機関で、借入期間について事前に相談することをおすすめします。

ちなみにフラット35とは、金利が35年間固定される、文字通り「フラット=平坦」な住宅ローンです。変動金利よりも幾分高めの金利となります。

まとめ.新築と中古 結局どちらが良くて、どちらがお買い得なのか?
これまで書いてきて、最後に一つ付け加えておくことがあります。それは「情報というのは、何が書かれているか以上に、誰によって発信されたものか」がはるかに重要ということです。

ネットや雑誌にさまざまな特集が組まれて、「新築がおすすめ!」「中古はこんなところがいい!」といった記事がありますが、その情報発信者はマンションのディベロッパーだったり、リフォーム業者だったりします。

さらには、そうした業者が集まって組織化して一見するとわかりにくい発信元が、結局は自分達の仕事や受注につながるように誘導しているケースがほとんどで、8割以上はそのように書かれた記事だと思っても良いと思います。

いま、新築か中古かで迷っているあなたは、一戸建てにしろ、マンションにしろ、その記事の発信者はどのような利益誘導をしているかということを意識して、そのうえで自分の頭で考えて、情報を取捨選択すれば、適切な判断ができるのではないでしょうか。

あなたの人生にとっておそらく一番大きなお買い物になるであろう、住宅購入を成功させて、ぜひ新居で笑顔で新しい人生をスタートしていただきたいと、切に願っています。

後悔しないマイホーム購入「マンションVS一戸建て」選び方

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マイホームの購入を決意したら、次に悩むことが「マンションがいいのか、一戸建てがいいのか」ということではないでしょうか。

心では一戸建てにも惹かれながら、なんとなくマンションを検討している方もいらっしゃるかもしれません。

事実、私のクライアントさんの8割以上が、当初の相談ではマンションを検討しています。その理由を伺うと「なんとなく」「一戸建ては高いから自分たちが買えるのはマンション」「駅に近いほうがいいから。一戸建ては郊外だから無理」「いつでも引っ越せるように売りやすいほうがいいから」といったものです。

しかし、実は、これらは「思い込み」なんです。

私がじっくり質問を繰り返して問診していくうち、そして実際にさまざまなエリアを歩いて、一戸建てとマンションを、ちゃんと価格差を設定してスペックを比較する「住まいのウインドウショッピング」をすると、ほとんどの人が一戸建て志向に変わるのです。

いま、住宅系のネットや本などではFPや宅地建物取引士などの専門家がしたり顔で「マンションと一戸建てどちらが得か」に対して、「一戸建てが得!」とか「マンションが得!」と定型化した答えを出して、思考停止状態に陥ったアドヴァイスが氾濫しています。

この記事を読むことで、マンションと一戸建ての誤解をとき、正しい知識を得て、きちんと比較した結果、あなたにぴったりな住まいが見つかることでしょう。

-目 次-

1.「いくらまでなら安心して買えますか」

1-1.安心して買える価格はマンションと一戸建てでこんなに違う

1-2. 一戸建て=駅から遠い。マンション=駅チカ。という誤解

1-3. 1,800万円のマンションと5,600万円一戸建ての家計支出が同じ!?

1-3-1.こんなにも違う!同価格帯のマンションと一戸建てを購入した場合の家計支出

1-5.投資マネーの動きと流れに要注意!~高値で買わないために~

1-5-1.マンションに世界からお金が流れ込んでいる

1-6.火災保険料について

2.資産価値を徹底比較! マンションVS一戸建て

2-1.マンションと一戸建てではメンテナンスの重みが違う

2-2.マンションは「モノ」ではなく、ただの空間を売買している!?

2-3.駅近の一戸建ては住みながらにして稼ぐ、頼もしい働き手

2-4.資産性の違い

3.マンションと一戸建ての住環境を比べてみよう!

3-1.「一戸建ては寒い」の誤解

3-2.「一戸建ては庭の手入れがたいへん」の今

3-3.「眺望が良いところ=マンション」ではない

3-4.「防犯性が高いからマンションがいい」の誤解

3-5.ご近所づきあい

4.まとめ.古いイメージや思い込みを取り払って最適な選択を!

1.「いくらまでなら安心して買えますか」

よく「いくらまでなら安心して買えますか」という相談を受けます。しかし、この質問は適切ではありません。

実は予算以上に、一戸建てかマンションかの違いによって、生涯の家計支出は大きく影響を受けるのです。

1-1.安心して買える価格はマンションと一戸建てでこんなに違う

あなたは、一戸建ては高い!と思い込んでいませんか?

もし、あなたが「マンションのほうが購入しやすい」となんとなく思っているのであれば、価格は同じでもマンションと一戸建てでは月々支払う住居費が異なることをぜひ、知っておいていただきたいのです。

なぜならば、マンションの場合は管理費と修繕費の支払が伴い、さらに車を所有している場合は駐車場代もかかってきます。

一般的に大都市圏ではマンションの管理費+修繕費+駐車場代の負担が月々5~6万円になります。

仮に、一戸建てとマンションの予算設定を同じ5,000万円として、月々の住居費を比べてみます。

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共通:住宅ローンの返済(金利1% 35年返済) 約14万円
共通:固定資産税 約1万円
マンションのみ:管理費(首都圏平均)約1万5,000円
マンションのみ:修繕積立金(首都圏平均)約7,000円
マンションのみ:駐車場代(首都圏平均)約3万円

つまり、マンションの場合は一戸建てよりも月々5万円、住居費が多くかかることになります。ちなみに、月5万円はおよそ1,800万円分の住宅ローン(35年返済)と同じです。

ですので、5,000万円のマンションは6,800万円の一戸建てと支払が一緒になってしまうのです!このことを意識するかしないかで大きく違ってくるのがお分かりでしょうか。

これは、言い換えると、
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とも言えます。

1-2. 一戸建て=駅から遠い。マンション=駅チカ。という誤解

クライアントの方とはじめてお会いした時によく話題に出ることが

「都会でしかも駅に近いところだと一戸建てではなくマンションしか選択肢がなかった」

ということです。

大手不動産の住宅検索サイトなどで検索をした際、マンションと一戸建てを同額で、駅から同じ徒歩時間で検索すると、圧倒的にマンションのほうが多くヒットします。だから一戸建ては高い、と何となく思っていたと言うのです。

しかし、先程の公式
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に当てはめると、たいていのエリアでは一戸建ても予算内に収まってくるのです。

そうすると、なんとなくマンション嗜好の方も、支払いがほぼ等しくなる価格帯の一戸建てと冷静に比較検討して決められるようになるのではないでしょうか。

逆に、一戸建て派の人も、わざわざ郊外の一戸建てしかターゲットにしないというのも、資産性を考えるともったいないのでは?という考えも生じてくるのです。

というのも、とあるエリアの事例ですが、駅から徒歩10分以内の利便性の高いエリアでは、土地の価格(地価)が年率2%以上の上昇をしている一方で、同じ駅でもバスで10分かかる不便なエリアは2%弱の下落が生じているのです。

このような地価の動きをしているところは首都圏をはじめ日本全国、どの都市圏にも比較的多く存在しています。

ですので、不動産購入を財産づくりの一環として考える時には、現時点の価格だけで安いほうを選択するのではなく、将来に向けて価値が上がるか、上がるまで行かなくとも横ばいもしくは下がりにくいかどうか、という「将来の価格がどうなっているか」も意識しておくと良いと思います。

1−3.1,800万円のマンションと5,600万円一戸建ての家計支出が同じ!?

試しに、月々10万円の家賃の賃貸に住んできた人が、同程度の住居費の持家に住み替えようとした場合、駅徒歩5分以内の一戸建てと、郊外バス便マンションを購入した場合とで、月々の家計支出がどのようになるかをシュミレーションしてみます。

1-3-1.こんなにも違う!同価格帯のマンションと一戸建てを購入した場合の家計支出

金利1%で35年の返済で想定した場合、月々10万円の返済になる借入額は約3,600万円です。一戸建てはこれでよいですが、先程もお伝えしたとおり、マンションの場合は管理費、修繕積立金がかかります。

そして郊外ですので車社会と想定すると駐車場代がかかってくることになります。(駅徒歩5分の一戸建ては車を持っていないこととします。)

10万円の住居費から首都圏の上記費用の平均値5万円を差し引いた、月5万円の返済になる借入額の約1,800万円がマンションの購入予算となります。

一戸建ての場合、建物価格は平均で1,200万円程度ですので、3,600万円の物件価格のうち約2,400万円が土地代です。

この時点で資産性に大きな違いが出ているのがお分かりになりますでしょうか。

さらに、駅徒歩5分ですと車は持つ持たないが選べるので、仮に車を持たない生活を想定すると、月々6万円ほどが浮きます。

これは約200万円程度の新車を5年で更新していくときにかかる車両費、維持費、税金、ガソリン、保険代から算出した数字です。

月6万円というと、金利1%、35年返済ではちょうど2,000万円借入の月々の返済額とほぼ同じです。つまり一戸建てで車無し生活の場合はその分、約2,000万円借入を増やして、予算を5,600万円程度まで上げて探してみることも可能になります。

1-4.投資マネーの動きと流れに要注意!~高値で買わないために~
あとはもう一点、首都圏のマンションに実需(実際に住む人)以外に投資(投機)のマネーがかなり流入してきている問題があります。

1-4-1.マンションに世界からお金が流れ込んでいる
2016年6月、首都圏のマンション価格の平均値が年収の11倍を超えたという記事が、日本経済新聞に掲載されました。

通常、年収の7倍程度が購入限度(私はこれでも高すぎと思いますが)と言われる中で、明らかにオーバーしています。

不動産市場に投資マネーが流入して、どのように水増しされた価格になっているかを詳しく知りたい方は、『徹底解剖!不動産市場と投資マネー』を参照ください。

1-5.火災保険料

10年更新加入する火災保険料を比較すると、これは断然、マンションの方が安いです。

マンションの場合は対象が自分の部屋のみとなりますので、建物全体に保険をかける必要がないため、一戸建てよりも割安になる傾向があります。

そして「家の構造」です。全ての家が同じ資材を用いて同じ構造で作られている訳ではありません。燃えやすさなどに応じて「構造級」という区分がされています。

コンクリートやコンクリートブロック・れんがなど耐火性の高いマンションは被害が大きくなりにくいため保険料も安くなります。

一方で、木造など耐火性の低い一戸建ては割高になります。

コラム~住宅ローンのマジック~返済比率に含まれない謎を紐解く~
ではなぜ、これだけ住居費のウエイトが異なるのに、あまりこの点を意識しないで探しているのでしょうか。それには、「銀行の住宅ローン審査には、管理費等の支出が全く計上されていない」という落とし穴があるからです。

つまり、これだけ家計支出の負担に差があるのにもかかわらず、そこはまったく無視されて、5,000万円のマンションを買いたい人は7,000万円近い一戸建てを買う人と同じだけの経済力があると算定されてしまうのです。

これって、どう考えてもおかしいし、借りられてしまうことが怖いですよね(^^;)

2.資産価値を徹底比較! マンションVS一戸建て

安心して購入できる価格がマンションと一戸建てそれぞれでわかったところで、次に気になるのが不動産としての資産価値ではないでしょうか。それを今から紐解いていきます。

2-1.マンションと一戸建てではメンテナンスの重みが違う

一戸建ての場合は、マンションで義務的に支払う管理費や修繕費は掛かりません。ですが「一戸建てはマンションと違って自分でメンテナンスをしなければいけないから、修繕積立金のようなお金を自分で積み立てる必要があり、結局はマンションと変わらない」と言っている人がいます。

しかし、「そもそも何のために建物のメンテナンスをするのか」という目的を明確にせずに結論を出しては、あまり的を得た答えになっていないように思います。

マンションに修繕積立金が半ば義務のようについて回る理由をご存知でしょうか。それはマンションの価値を決めるのは、建物が良好に維持管理されていることでしかないからです。

マンションとは空間価値を買うもので、区分所有法という法律により土地も建物も不完全な所有権です。こと、土地に関しては持分を分割して売買することはできません。つまり、マンションの資産価値は建物に相当のウエイトが置かれています。

一方で、一戸建ては20数年で価値がゼロになるように減価償却していきます。わかりやすくいうと、年々価値が目減りしていくということですので、メンテナンスやリフォームに力を入れすぎることは資産性を維持するうえでは得策とは言えません。

ですので、言葉に語弊があってはいけないのですが、30~50年程度住めればいいと割り切って、適当に手を入れれば良いのです。この場合、屋根の葺き替えと壁の塗り替え費用として月あたり1万円を貯蓄しても、おつりがくるでしょう。

結論を言いますと、資産として考えた場合、一戸建ては土地、マンションは建物です。だから一戸建ては土地の資産性が、マンションは立地と管理状態が重要になります。

ですので資産性の観点からも、マンションは修繕積立金で建物を維持修繕するのは当然ですし、だからといって一戸建てがそこまでのクオリティの修繕を自分で積み立ててする必要も無いのです。

このような視点を組み込んだうえで、一戸建てとマンションどちらを選択するかが、数十年後の老後資産を形成するうえでは大きな違いとなってくるのです。

2-2.マンションは「モノ」ではなく、ただの空間を売買している!?

先程「マンションとは空間価値を買うもので、区分所有法という法律により土地も建物も不完全な所有権です。」とお伝えしました。

もう少し詳しくお伝えすると、マンションは土地、建物とも一応持分を有しますが、「区分所有権」のため、「どの部分が自分のもの」というように所有権を主張することができません。あくまで土地、建物は「みんなもの」で共有で所有しているという概念なんです。

ここで「おや?ではマンションは何を売買しているのだろう?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そうですよね、土地も、建物も特定の一部分を「ここは俺のもの」と主張できないのですから、実はマンションの土地も建物も売買することはできないことになります。

実は、マンションはモノでは無く、「空間」を売買しているのです。

具体的には、壁、窓、玄関ドアといった共有部分の内側の居住空間になります。目に見えるようで、見えない空気のような空間を取引するのが、マンションの売買の実態です。実態があるのかないのか、突き詰めていくとよくわからなくなります。

ですので、地震などの災害で建物が壊れると非常に困ったことになります。自分だけ単独で所有権を主張できるモノは何もないのですから、更地にして土地を売却するにしても、建て替えるにしても何をするにしても、「みんなで決める」しかありません。

建物が壊れるといった極端な例までいかないにしても、管理状態が悪くなったり、自殺や火事などが自分の家で起きなくても告知義務が生じたり、とにかくマンション全体で連帯責任が生じます。

モノでは無く空間という、極めてあいまいな価値を売買するので、将来の資産価値は非常に予測しにくいところはリスクとして認識しておいた方が良いでしょう。

2-3.駅近の一戸建ては住みながらにして稼ぐ、頼もしい働き手

一戸建てを建てる際、土地と建物が自己所有であり、売ったり貸したりが自由にできる点は大きなメリットです。

一部を貸すという選択をすることで、敷地部分であれば駐車場として、建物部分であれば部屋を貸し出すことで、一定の賃料収入が得られてその分を住宅ローンの返済に補てんすることも可能となります。

あなたがミニ大家さんとなって部屋を貸し、駐車場を貸して収入を得ることを想像してみてください。なんとなく老後に向けた安心感が増してきませんか。不動産というのは、売却時だけでなく、所有しながらも収入が得られる頼もしい資産なんですね(^^)
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2-4.資産性の違い

マンションと一戸建ての資産性の違いにも触れておかなければなりません。

一戸建ては建物部分が20~30年かけて減価償却されて、価値はゼロに収束します。分譲住宅を購入した場合、建物価格は約1,200万円ですので、5,600万円の物件の場合、4,400万円が土地代になります。

3.マンションと一戸建ての住環境を比べてみよう!

マンション派の方も、一戸建て派の方も、意外と多いのが昔のイメージを引きずっていたり、思い込みだったりすることがあります。

ですので、今の現実をお伝えしつつ、マンションと一戸建てのホントのところを分析していきます。

3-1.「一戸建ては寒い」の誤解

たしかに、数十年前の一戸建てってスキマ風が入り込んだりするイメージで寒かったですよね。

今の一戸建ては全窓がペアガラスが標準です。ペアガラスとはガラスとガラスの間に密閉された中間層をもっています。

これにより光の透過性を保ちつつ、断熱効果を得られます。断熱効果一般的な断熱材と同じ原理を用いており、対流が起こらない状態の空気は断熱性能が高いという性質を利用しています。

サッシもアルミが標準のため、たいへん気密性が高くなっていて、24時間換気の設置が法律で義務付けられているほどです。この点、マンションとほとんど遜色がないといって良いでしょう。

※24時間換気システムとは室内の空気をファンなどの機械を使って2時間に1回、家じゅうの空気が入れ替わるよう計画的に換気して、24時間、常に新鮮な空気を維持するためのシステムです。

住宅の高断熱高気密化にともない、VOCをはじめとした、化学物質による
シックハウス症候群の増加が問題になりました。そこで、2003年に建築基準法が改正され、24時間換気システムを設置することが義務づけられました。

3-2.「一戸建ては庭の手入れがたいへん」の今

これもよくあるマンション派の方の意見です。だいたいが地方から出てきた人か、都市圏でも郊外の広い庭の一戸建てで生まれ育った方が持っているイメージです。

ところで、今の一戸建てをご覧になったことがありますか。

特に都市圏の市街地に位置する一戸建てで、草木が生えるような土がある庭があることはほとんどありません。駐車スペース以外に空間は無く、そこはすべてコンクリートで覆われています。管理する庭は実は存在しません。

3-3.「眺望が良いところ=マンション」ではない

確かにマンションは高層の建物が多く、一戸建ては高くても3階までですので、建物だけで比較するとマンションの上層階に住むしか眺望が得られなさそうですが、一戸建ての場合でも、地形を利用して高台の立地の物件であれば、眼下に夜景が広がったり、海が見えたり、スカイツリーが見えたり、富士山が拝めたりといった理想的な眺望のある生活が実現できるのです。

3-4.「防犯性が高いからマンションがいい」の誤解

実際には戸建て住宅もマンションもほぼ同率で、泥棒の被害に遭っています。最近の統計では、一戸建て総数2649万戸、マンション総数1873万戸です。戸数の比率は、戸建て1に対してマンションは7割程度。

一方、ドロボウ被害の比率は戸建て35.6%に対して、マンション24.4%ですから、戸建て1に対して、マンションはやはり7割程度となり、ほぼ同率です。

また最新の一戸建て住宅は、窓や玄関の防犯性を高めていて、玄関ドアは2ロック(錠が2箇所)が当たり前で、窓には防犯フィルム入りやシャッター雨戸を付けられます。

さらに、街区全体のセキュリティを高めたり、住民の安全確保を目的として整備されているエリアがあります。「クルドサック」という欧米の街づくりを取り入れ、住宅地内の道路を「通り抜け不可」となるように設計されている街です。

こういったエリアでは、無関係の車が抜け道をしようと住宅地内に入ってきても、通り抜けができず、入ってきたところに戻るだけで事故が減り、部外者が立ち入らないので不審者が目立つという効果も生まれます。

事故防止や犯罪防止効果が得られるのです。マンションは建物全体で、一戸建ては街全体で防犯をする、そんなスタイルが今後ますます、主流になっていくでしょう。

3-5.ご近所づきあい

よく「近所づきあいが煩わしいから、マンション」という方がいらっしゃいますが、これも大きな誤解です。

今はマンションも一戸建ても、地域によるばらつきはあっても近所づきあいは日常のあいさつ程度のところが多いのです。

一戸建ての場合は回覧板などがある地域もありますが、特にピンポンもせずにポストに入れて回している程度です。

最近は共働きの世帯が増えていたり、週末勤務などの勤務形態の多様化もあり、住民同士で予定が合うことも少なくなりましたので、戸建てにしろ、マンションにしろ付き合う時間も無いという状況ではないでしょうか。

近所づきあいで問題を孕んでいるのは、多くの人が持っているイメージとは逆にマンションです。というのも、先だっても話した区分所有法という不完全な法律が住み続けるほど、ボディーブローのように効いてくるのです。

そもそもご近所と言っても、一戸建ては所詮は他人事で済みますよね。だって、家は土地も建物もそれぞれが独立して所有をしていて、正直言ってお隣さんとも何の関係も無いんですから。

でも、マンションのお隣さんとは、そんなにドライな関係でいられるのでしょうか。建物も、土地も、すべて住民の共有財産。どこにも自分だけで自由に使えたり、処分できる部分が存在しないのがマンションです。

売買したり、多少手を入れられるのは、共有部分の内側-玄関ドアや窓サッシ、隣戸との壁の内側のみです。建物自体ではなく、部屋という空間が自由にできるのみ。新築で住み始めてしばらくは何の問題もなく過ぎるでしょう。

ですが数十年の歳月を経たり、災害に見舞われて建て替え話が浮上した時、避けられないご近所づきあいが生じるのです。しかも大切な財産を共有するご近所ですから、綺麗ごとだけでは済まないでしょう。

年齢も子どもからお年寄りまでまちまちですし、考え方や価値観もそれぞれの中、共有財産の建物をどうするか―正解の無い中で解決策を探るのは相当、たいへんではないでしょうか。

また、管理状態は資産価値にも影響してきます。あなたはちゃんとしてても、ご近所の中に管理費や修繕費、駐車場代を滞納している人がいれば、途端にそのマンションは売却の時に敬遠されます。

財産=お金を共有するご近所付き合いが否応なく付きまとうマンションが、果たしてほんとうに人間関係が煩わしくないのでしょうか?

「人間関係で多少、躓くことはあっても、所詮は他人。」割り切れる、独立した財産を持てる一戸建ての方が、圧倒的に近所付き合いは楽ではないでしょうか。

4.まとめ:古いイメージや思い込みを取り払って最適な選択を!

いかがでしたでしょうか。マンションと一戸建てをそれぞれ価格、資産価値、環境の3つの視点で比べてみました。

それぞれにメリット・デメリットがあるので、たいせつなことは過去のイメージや思い込みに惑わされず、真の姿を見比べて判断することだと思います。

時代の流れによる人々の価値観の変化、そして技術進歩による建築環境の変化によるマンションと一戸建てを取り巻く状況の変化を正しく知って、あなたの人生にとって最適な選択をするお役に立てればうれしいです。

住宅ローンの頭金はゼロ?貯めた方がオトク?頭金の誤解と真実

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頭金は貯めたほうがいいのか、貯めなくてよいのか。親からのアドバイスなどで、住宅ローンを組む際には必ず頭金が必要だという、なんとなくの知識はある。

住宅ローンを組む不安(ずっと払い続けられるのだろうか?払えなくなったらどうなるのか?)もあるし、みんな住宅ローンの頭金はどれくらい用意しているものなんだろう?とまわりと比較したい気持ち。

ゼロでもいい、ゼロは危険。いろんな記事があるけど結局どっち・・・???今あなたは、そんな迷いを持っているかもしれません。

この記事では、住宅ローンの頭金に関する誤解を紐解き、あなたにとって、頭金を貯金すべきか、ゼロでもいいのか、どちらが最適かを判断することができるようになります。

ぜひ、適切な知識をつけて、大切なお金を無駄にしない、マイホーム購入を目指しましょう。

-目 次-

【誤解】その1:物件価格の2割の頭金を入れるのが基本だから

【誤解】その2:親から言われたから

【誤解】その3:月々の支払いがその分、少なく済む

【誤解】その4:万が一、住宅ローンを払えなくなった時の不安に備える

【誤解】その5:そもそも計算金利がおかしい

【真実】その1:頭金ゼロ派の人は金利差を利用して資産運用

【真実】その2:いま、住宅ローンを借りている人は実は儲かっている!

【真実】その3:ハウスメーカーで建てる場合は頭金を準備する

【真実】その4:地価上昇地域は頭金ゼロでもOK

まとめ~頭金の必要性は時代と場所とともに変わる~

【誤解】その1:物件価格の2割の頭金を入れるのが基本だから

これは時代錯誤な情報の事例の一つです。

以前、バブル崩壊までは住宅金融公庫という政府系の金融機関が住宅ローンの貸し出しの大半を担っていました(民間の銀行は企業融資が主で、個人には目もくれなかった事情もあります)。

この時の貸し出し条件が物件価格の2~3割、頭金を入れることだった名残がそのまま、残っているのです。

金利が今の10倍の6%、貸す側が強かった時代の条件を、今の民間銀行も含めた厳しい貸し出し競争の中の借り手市場における0.6%の金利の時代に適用して、理にかなっているとは言えません。

これは、誤解2にも通じます。

【誤解】その2:親から言われたから

いまの購入層である30代の親世代(5~60代)が購入した1990年前後は、いまよりも10倍も金利が高く「6%前後」もありました。

3,000万円を35年間の借入で月額返済額約17万円(うち金利分約10万円!)、総返済額約7,100万円(うち金利分約4,200万円)でした。

現在は金利0.4%~1%ですので、0.6%とした場合、35年間の借入で月額返済額約8万円(うち金利分0.8万円)、総返済額約3,300万円(うち金利分約330万円)です。

一方、頭金を入れた場合をみてみましょう。

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上記の通り、たしかに、親世代であれば頭金効果は抜群です。頭金1,000万円あれば、17万円が約11万円に6万円も減らせますし、返済総額も約7,100万円から約4, 800万円に2,300万円も減らせます。

一方、現在の頭金1,000万円の効果は、月額約3万円分、返済総額約100万円分しか減らせません。頭金分差し引いて比べると一目瞭然!雲泥の差があると言えるでしょう。

【誤解】その3:月々の支払いがその分、少なく済む
たとえば、3,000万円の物件を購入するとします。頭金ゼロの場合、金利1%35年で、月々返済額は84,685円ですが、頭金1,000万円だと56,457円になります。

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さあ、これがお得と見るかどうかは、さまざまな視点でしっかり考える必要がありますね。確かに、見かけ上の月々の住居費は3万円弱減らせたことになります。

ですが、例えば今、家賃8万円の賃貸に住んでいて1,000万円を貯めるのに、10年かかったとします。この間、支払った家賃は960万円です。これだけの頭金を貯めるには月々、8.3万円ずつ貯め続けなければなりません。

8万円を垂れ流し続けながら、8万円ちょっと貯めるのって、感覚的にも「無駄だなあ」と感じませんか?私はこれを、「栓をせずにお風呂のお湯を貯めている状態」と表現しています。

しかも、これだけ大変思いをして貯めた1,000万円の頭金を入れることで、購入後に減らせる月々の住居費は約3万円。これをお得と考えられるかどうかは、微妙なところですね。ですが、これが親世代であれば状況がまったく変わります。

【誤解】その4:万が一、住宅ローンを払えなくなった時の不安に備える

この不安の本質は、転勤や転職など、やむを得ず自宅を売らなければならなくなった時に、頭金を入れておけば、値下がりしていても売却できるということでしょう。

たしかに、これは日本のあらゆる不動産が値下がりし続けた1990年代~2010年頃までは妥当であったと思いますし、いまでも日本の9割を超えるエリアでは頭金が多いほど、安心と言えます。

ですが、ごく一部の例外エリアである首都圏、名古屋圏、福岡圏や那覇圏などでは、エリア選定と物件選びを間違わなければ、横ばい~上昇という地価の安定的な推移が見込めて、購入後の大幅な下落は避けられます。

つまり、このような不動産の資産価値に恵まれたエリアでは、頭金の必要性は少なくなると言えます。

なお、どのようなエリアが不動産の資産価値に恵まれたエリアであるかは、詳細は『徹底比較!賃貸vs購入。損をしない住まいの選び方』を参照してください。

【誤解】その5:そもそも計算金利がおかしい

ネットでもよく見かけるのが、計算金利が3%のサイトです。4%なんていうところもあります。固定金利でも1%前後の現在の状況にまったく合いません。

ここまでお話してきて頭金の要不要の判断は、その時代の金利に大きく影響を受けることがお分かりいただけたかと思います。金利の詳細『経済の流れから、これからの住宅ローン金利を予想する』を参照してください。

【真実】その1:頭金ゼロ派の人は金利差を利用して資産運用

頭金ゼロ派というと、いかにも現金を持っていない、家計がカツカツな人をイメージするかもしれません。でも実は、資産をたくさん持っていて、お金を増やす情報もたくさん持っている、いわゆる富裕層の方がゼロ派なんです。

一般に富裕層と言われる人たちは、資産運用や投資に熱心です。自分の資産を目減りさせずに増やすことに長けている彼らは、たくさん現金を持っていても、できるだけ借入をしたがります。

なぜなら、富裕層はできるだけ低利で融資を受け、日々情報収集してできるだけ利回りの高い投資先を探して、金利差で資産運用をしているのです。

例えば、1%で借りて4%の利回りの投資先があれば、金利差3%で運用できていることになります。

預貯金の金利が0.02%の時代に、その100倍の利回りで運用できるとすれば、いかがでしょうか。これを頭金に置き換えれば、できるだけ住宅ローンを借りて、手元に残した現金を運用したほうが老後への資産形成にも寄与できるのではないでしょうか。

さらに、資産性の高い不動産を購入すれば、手元に残した現金+不動産のダブルの資産運用が可能となり、ますます老後に向けた安心感が広がります。

【真実】その2:いま、住宅ローンを借りている人は実は儲かっている!

もう一つ、目から鱗の情報をお伝えしますね。それは、現在の低金利下で住宅ローンを借りている人は、当初10年間は国からお金がもらえるのです!どういうことか、図で説明しますね。

例えば、住宅ローンを金利0.6%で借りたとします。すると、住宅ローン控除により1%分の税金が確定申告で戻ってくるのです。還付税額よりも多く税金を支払っている人であれば当てはまるので、一度源泉徴収票(年末に職場でもらう紙)をご確認ください。

【真実】その3:ハウスメーカーで建てる場合は頭金を準備する

住宅展示場などに出店しているハウスメーカーで建てる時は相当の頭金を準備する必要があることを知っておいてください。なぜならば、建売住宅に比べて建築費が割高になるためです。

考えてもみてください。あなたか○○ハウスや××工務店という名前を知っているのは、企業が多額の広告宣伝費をかけているからです。また、住宅展示場は全国に500ヶ所以上あり、ここには営業マンがいますね。

彼らの人件費はかなり高額で、なかには1,000万円プレーヤーもいるくらいです。そのうえ、設計士や建築士と打ち合わせていくので、その人件費も加味すると、建築費はだいたい2,500~4,000万円くらいになります。

ですが、不動産市場で建物を評価する場合、分譲住宅を基準とします。これがだいたい1,200万円前後ですので、ハウスメーカーでこだわって建てる際は、その分の差額である1,000~2,000万円程度は頭金を準備したほうが安心です。

【真実】その4:地価上昇地域は頭金ゼロでもOK

ぜひ、あなたが購入を考えているエリアの地価動向とこれからの人口増減を調べてみてください。将来、価値上昇が見込めそうであれば、頭金がなくとも転勤や転職、失業などといった予期せぬ売却にそれほど怯える必要はありません。

しかし地価が下落するエリアでは頭金を入れたほうが安心です。だって、年々価値が下がっていくので、買ったときよりも売る時の方が値下がりすることが目に見えているわけですから、差額を準備しておく必要があるわけです。

まとめ~頭金の必要性は時代と場所とともに変わる~

結論として、頭金が必要かどうか、そして、必要な場合いくらが適当か、ということは、どのような経済状況で、金利がいくらくらいかによっても変わりますし、不動産価値が下落しているところかどうかでも変わってきます。

頭金というものの存在意義は、もしもの時の売却リスクに備えることと、住宅ローンの金利を支払いすぎないように自己防衛するためのものです。

この2点を押さえて、あなたにあった最適な判断をしていただきたいと思います。

安心!住宅ローンの審査に通るポイント

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住宅ローンの「審査」という言葉で不安になっていませんか。でも大丈夫です。不安は「よくわからない」から心に生じてくるものです。だから、住宅ローンの審査の本質を理解すれば、おのずと不安が解消できると思います。

家を買う場合だけ、銀行はほかの商品を買う場合とは比べ物にならないくらい、たくさんのお金を貸してくれます。なぜ、年収の何倍ものお金を貸してくれるのでしょうか。貸す側の立場で考えると、それはとても怖いことです。ですので自ずと審査は厳しくなります。

審査をパスするためには、購入する「物件力」とあなたの「社会的信用力」そして「健康力」の3つの歯車がしっかりと噛み合う必要があります。

-目 次-

1.住宅ローン審査の種類

2.信用情報審査

2-1.スマホの購入方法に地雷が潜む

3.銀行審査

3-1.経営者よりもサラリーマンが有利

3-2.勤続年数

3-3.資本金の大きさ

4.事前審査 3つのポイント

4-1.事前審査で何を見られるのか

4-2.あなたが買える人であることを証明する

4-3.お財布を持って安心して家探しができる

4-4.事前審査の3点セット

5.本審査

5-1.物件力の審査とは

5-2.健康力の審査とは

6.契約とローン審査のスケジュールのポイント

7.まとめ.お金を貸したいと思われる生き方をしよう

1.住宅ローン審査の種類

住宅ローンにはその役割に応じて大きく4つに分かれます。それは「事前審査」「本審査」「銀行審査」「信用情報審査」です。

これはそれぞれが独立しているというよりも、「事前審査のうちの銀行審査」や「事前審査のうちの信用情報審査」というように掛け合わさるイメージです。

この4つとも、それぞれが担う役割が異なるので、これからそれを説明していくことにします。

2.信用情報審査

事前審査も本審査も、この信用情報審査が登竜門です。

これはあなたがお金を貸したら、ちゃんと返してくれる人かを審査します。それにはあなたが過去、どのような借入をして、どのように返済したかをチェックするのがいちばんです。

そこで、あなたの借入と返済の履歴のすべてが記載されている情報を照会をします。

クレジットやカードローンなどで返済が滞ったことがある人は、何らか自覚症状があるのですが、ここ最近、借金をした自覚がない人が多くなっています。

2-1.スマホの購入方法に地雷が潜む

スマホを買う時、2通りの買い方がありますよね。一つは、機種代をその場で一括で支払って、その後は月々の通信代だけを支払っていく方法。もう一つ、機種代を月々の通信費に上乗せして支払っていく方法です。

この機種代を通信費と一緒に支払う方法が曲者です。これって「分割払い」といって、機種代を借りて返済をしている、いわば借金と一緒なんですが、その認識が薄い人も多いのです。

口座引き落としで残高が無くて引き落とせなくっても、コンビニ払いで払い忘れても、通信費のみのケースであればそれほど問題ないのですが、この機種代をリボ払いしていてこれをすると「返済が滞っている」という状態になります。

これが最初に来るハガキで「○月×日までに支払ってください」という督促の段階で期限内に支払えばそれほど問題にならないのですが、期限を過ぎても払わないとほぼアウトです。

いわゆる信用情報に傷がついた状態になっているかと思いますので、こうした心当たりのある人はぜひ一度、下記の信用情報開示機関に照会してみることをおすすめします。

CIC(CREDIT INFORMATION CENTER)

3.銀行審査

さて、信用情報審査を無事に通過してひとまずあなたが「貸したら返してくれる人」というお墨付きを得られたら、今度は「どのくらいのお金を貸せる人か」の審査に入ります。これが、銀行側の審査です。

3-1.経営者よりもサラリーマンが有利

その際の重要なポイントは、まず何よりも収入の安定性です。変な話、年収1,000万円の経営者よりも、500万円のサラリーマンに貸したいのです。

3-2.勤続年数

そして次に重要なのは「どのくらい長く勤め続けているか」です。

転職を繰り返いしていると、「この人はいつまた、会社を辞めるのかな」と疑ってかかられてしますので、転職を考えている人は転職前に住宅購入をしておいたほうが安心です。

よく「転職を考えているから、住宅購入は無理」と言っている人がいますが、これ、まったく逆です。月々の住居費の支払いの観点からも、一時的に収入が減ったとしても、賃貸だと大家さんは待ってはくれませんよね。

ですが住宅ローンであれば、収入が減った間の返済を猶予してくれたりと銀行も相当、融通を効かせてくれるので、万が一のときの安心感が買えるのです。詳しくは『徹底比較!賃貸vs購入。損をしない住まいの選び方』を参照してください。

3-3.資本金の大きさ

さらに勤務先が、中小企業よりも大企業や公務員の方が有利になります。これは資本金の大きさが影響してくるので、ご自身の会社のホームページの会社概要でチェックすると良いでしょう。

銀行によって、この区分は異なりますので一概には言えませんが、一つの目安例としては以下のようなものです。

Aランク 5億円以上

Bランク 3億円以上

Cランク 1億円以上

Dランク 5,000万円以上

Eランク 1,000万円以上

Fランク それ未満

この区分によって、金利優遇が大きくなったり、借入額が増やせたりするわけです。

4.事前審査 3つのポイント

事前審査のポイントは大きく3つです。

審査で何をチェックされるのかを見極める

売主に対して「あなたが買える人」である証明
最後は借入可能額や金利といった借り入れ条件がある程度わかり、あなたが安心して探せるようになる

4-1.事前審査で何を見られるのか

事前審査では、先の3つの歯車のうち「社会的信用力」が重点的にチェックされます。(社会的信用力とは、具体的にどこを見られるかは「2.信用情報審査」と「3.銀行審査」の項目で詳細に触れていますので参照ください。)

3つの歯車のうち残り2つの「物件力」「健康力」は本審査で必要となるので、そのときに触れることにします。

4-2.あなたが買える人であることを証明する

売主に対して、あなたが買える人であることを証明する必要がある理由は、十分おわかりいただけるかと思います。ちなみに不動産の売買契約の特殊性、つまり「住宅ローン特約条項」の存在が影響しているものと思われます。

「住宅ローン特約条項」とは:

「契約が成立しても、もしも住宅ローンが借りられなかったら契約そのものを無かったことにしますよ」という約束を売主と交わすということ

買う側にとってみれば、住宅ローンが借りられなければ買えないのだから、当たり前といえばそうだし、有り難い条文ですよね。これがあるから、安心して契約できることもあるでしょう。

つまりはこのおかげで売り手も守られていることになるのです。なぜなら、この事前審査が無いと、いざ契約した後にローンが通らない!という最悪の事態が起こり得るからです。

ですので今は、事前審査の承認が得られている人としか契約をしないという売主が増えています。

いざ欲しい物件が現れたときに、そこから審査をすると承認が得られている他の人に買われてしまうリスクがあることを知っておいてください。

4-3.お財布を持って安心して家探しができる

洋服を買う時に現金かカードをお財布に入れてから出掛けるのは当たり前のことだと思います。が、こと家を買おうと探している人で意外と多いのがお財布を持っていない人です。

ここで言うお財布とは「家が買えるだけのお金が入っている財布」です。意外と盲点なのか「自分が買えるのか」「いくらくらいまで買えるのか」を調べずに探し出す人が大半なのです。

「どのくらいの金利で借りられるのか」や「いくらまで借りられるのか」という、借り入れ条件を確定させてからのほうが安心して探せるのではないでしょうか。

このお財布は家が買えるだけの借入ができると自分にも、売る側にもわかる財布です。「家を買おうかな」とぼんやり思い始めたら、試しに事前審査を出すくらい早め早めをおすすめします。

ただし、あまりやみくもに事前審査を出すと、その情報は日本全国のあらゆる金融機関に筒抜けですので、「なぜこの人は、複数の銀行に審査を出しているのだろう」とあらぬ疑いをもたれてしまいますので、その点はご注意ください。

自分でも買えるかどうかがわからないままに漠然と家を探して、いざ欲しい物件が出てきたとき、実は買えなかった!や事前審査中に他の人に先を越されてしまったという悲しい思いをしないで済むかと思います。

4-4.事前審査の3点セット

さて、事前審査に必要なものはいたってシンプルです。

運転免許証のコピー

健康保険証のコピー

源泉徴収票のコピー

上記の3つで審査開始となります。ただ、自営業者や転職1年以内の方は、追加書類の提出を求められることがありますので、詳しくは銀行に直接確認すると良いでしょう。

5.本審査

事前審査で承認が得られて、晴れて契約した後に行うのがこの本審査です。

先ほどのローン否決による白紙解約ができる締切日までに、結果が出るように速やかに手続きを進める必要があるので注意が必要です。

もしも、ここで自己都合でだらだらと書類を提出しなかったりして、締切日までに結果が間に合わない場合は、もしも承認が下りずに家が買えない人とわかっても、白紙解約できません。

手付金を放棄して解約するか、ともすれば違約金(物件相当額の20%)を売主に支払って解約する必要が生じるので、十分に気を付けてください。

ところで、この本審査とは具体的に何を審査するのでしょうか。事前審査で社会的信用力に関しては概ね審査済みですので、3つの歯車のうちの「物件力」と「健康力」を特に注意してチェックされます。

5-1.物件力の審査とは

ここで言う物件力とは、あなたが契約した物件がどの程度の担保性を持つのかということです。担保性とは平たく言うと、「みんながこの物件を買いたいと思うほどの価値があるか」ということになります。具体的には以下を満たす必要があるのです。

所有権であること(※不動産の権利形態を参照)

建築基準法に適合していること

資産価値があること

※不動産の権利形態について:借地権及び、底地権が揃って、所有権となる。

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つまり、これらを満たさない借地権であったり、既存不適格(現行の法律に相応しくない)物件であったり、極端に不便な地域の物件で資産性に乏しい場合などは、借入条件に悪影響となります。

5-2.健康力の審査とは

「元気があれば何でもできる」という言葉があるように、健康は価値です。人がお金を貸すとき、相手が健康であることは重要なチェックポイントですよね。だって、健康であれば如何様にも働けるし、つぶしが効くんですから。

また、家を買うことは貸す側も失敗が許されないので、借りる側が巨額の保険に加入することが条件となります。具体的には「死んだら借金はチャラ」という好条件の保険です。だからこそ、借りる時に健康でなくてはならないのです。

住宅ローンの契約には、借入額と同額の生命保険の加入が必須条件です。つまり、この生命保険に加入できなければ住宅ローンは借りられないということです。病歴や通院歴、手術歴などを事細かに申告する必要があります。

ということで、本審査では事前審査の比較にならないくらいに、健康度のチェックをします。年を重ねるごとに、健康診断の項目に引っ掛かることが増えるので、年齢が若いほど住宅ローンの審査には有利になるということも知っておいていただきたいです。

6.契約とローン審査のスケジュールのポイント

※ローン特約日(白紙解約期限) この日までに本審査結果を得る 例:1/14

※金銭消費貸借契約日(銀行とのローン契約日) 例:1/21

※どちらも契約時に決める

ポイントは契約時に白紙解約の締め切り日を設定するということです。 これは、買主保護のためです。

売主と買主双方で「この日までに本審査の結果を出そうね。そして、否決だったら契約自体を無かったことにしよう!」 ということを決めます。

重要なポイントは、双方で合意をした約束事だから、それを買主が手続きの怠慢などで守らなかったときは、手付金放棄や違約金などのペナルティが発生する!ということです。

7.まとめ:お金を貸したいと思われる生き方をしよう

住宅購入という人生でいちばん大きい、数千万円もする買い物には、なんといってもお金を貸してくれる銀行の力が必要不可欠です。あなたの欲しい思いと、銀行が貸したいという思いが一つになって初めて、マイホームを買えます。

ここまで書いてきましたが、信用情報の審査のさじ加減は、実は銀行によって結構差があります。ですので、少しでも不安のある方はどうぞ信頼できるプロに、あなたに相応しい銀行を選んでもらってください。

また、銀行審査による借入条件や借入可能額も相当、まちまちですので、いずれにしてもあなたの状況に相応しい最適な銀行選びが、住宅ローン選びでは重要です。

住まい選びと同様に、銀行選びにももし不安があれば、信頼できる方へご相談されることをオススメします。

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