未公開物件のワナ
2021年1月1日
2021年1月1日
さて、今回は「自分だけ得したい」人の末路です。
いわゆる詐欺にあう人というのは、オレオレ詐欺を除いて「自分だけ得したい」という心理が少なからずあったようです。
「この事業に出資すれば儲かります」
「未公開株ですから、まだあなただけしか知りません」
こうした言葉を聞いて、うさん臭く思う人と、心がときめく人がいるんですね。
不動産業界も一緒です。正規ルートの物件はREINSに掲載されますから、いわゆるこの業界で言うところの
「未公開物件」というのは株式投資の「未公開株」とも似ています。
未公開物件というものの中には、REINSに掲載されている「流通物件」ではないですが、SUUMOなどの広告サイトに
掲載されるケースがあります。
というのも、REINSとSUUMOは根本的に性質が異なる情報サイトだからです。
・REINS・・・法律で決められた情報掲示。違反者に罰則あり。
・SUUMO、HOMESなど・・・単なる不動産会社の広告寄せ集めサイト。罰則なし。
つまり、このようなREINS掲載されていない未公開物件というのは、法的根拠のある情報ではないため、「何も調べようもない」というのが実情です。
「ほんとうに存在するのか?」すら怪しいため、当社団では一切、関与しない「適用除外」物件と位置付けております。
私がいちばん、たいせつにしている「引き渡し後の安心」の確証が得られず、その割にリスクが高すぎるためです。
そもそも未公開物件を掲示する理由は、ただ顧客を囲い込みたいという、不動産会社のエゴではないでしょうか。問い合わせてきた顧客から個人情報が収集したいから掲載しているとしか考えられません。
ただ紛らわしいのですが、逆にREINS掲載の「流通物件」でもSUUMOに掲載されないケースがあり、これも「未公開物件」と呼ばれています。
ただ、こちらの「未公開」には正当性があります。
といのも、SUUMOなどはリクルートなどの広告代理店は、広告収入が得たいがために、広告枠を売る先である、
不動産会社に積極的に営業をしています。
競争は激化し、先のような「まがいもの」の物件が多く掲載されていたり、同じ物件が複数の不動産会社から掲載されたりと、「無法地帯」と化しています。
売主の中には、このような状況を嫌って、「広告不可」とするケースが増えています。
ということで同じ未公開でも2種類あるなど、紛らわしい状況ですが、いずれにしても「未公開」という言葉に誘われて、個人情報を晒してしまうことは、リスクが大きいと感じています。
ご参考に、下記リンク先もご確認いただければ幸いです。
<不動産のプロが明かす「“未公開物件”はウソ」>
「自分だけ得したい」の代償は、あまりに大きいのです。